チェルノブイリの祈りをわかっていただけますかねえ?

朝日新聞にインタビュー記事が載っていたのですが、スベトラーナ・アレクシエービッチさんが来日していたのですね。

アレクシエービッチと言えば『チェルノブイリの祈り』なのでしょうが、あたしはまだ未読です。もちろんタイトルどおり、チェルノブイリ原発事故を扱った作品だということは知っています。ただマスコミなどで現地の甚大な被害が報じられていても、あるいは放射能が大気中を流れて日本に押し寄せてくると言われても、どこか遠い国の出来事という感じでピンと来なかったのも事実です。

しかし日本も東日本大震災とそれに伴う福島の原発事故があって、当時はまるっきり他人事と思っていたチェルノブイリがものすごく身近に感じられるようになりました。で、最近、そんなチェルノブイリを扱った作品を読んだのです。それがこちら。

ジム・シェパードの『わかっていただけますかねえ』です。アメリカの作家の短篇集ですので、全編がチェルノブイリの話ではありません。この中の巻頭作品「ゼロメートル・ダイビングチーム」がチェルノブイリの事故を扱った作品になっています。

なんなんでしょう。淡々としていて、悲劇とか苦悩とか、そういったものは直接的には描かれていないような作品です。重大な事故を扱った作品なのに非常に静かな、不思議な味わいでした。どうぞ、一緒に並べてみてください!

ちなみに、この短篇集の中では、「エロス7」がやはりロシア(ソ連?)を舞台にした作品です。

 

ところで、岩波書店とコラボするなら『期待はずれのドラフト1位』と『もうひとつのプロ野球』なんてのも如何でしょうか?