採算よりも浪漫を重視したい!

昨日の朝日新聞の夕刊一面。

日露首脳会談を前にして最近はテレビでも北方領土を取り上げることが多いようですが、こういう話題も首脳会談で取り上げられるのでしょうか?

このニュース自体は少し前から出ていましたね。稚内は沸いているようですが、どのくらい実現の見込みがあるのでしょうか?

それにしても、このニュースを見たり聞いたりしたら、ほとんどの人は「シベ超」を反射的に思い出すのではないでしょうか? あっ、シベ超ってわかりませんか? シベリア超特急のことです。一部の好事家には絶大な人気を誇る日本映画です(笑)。このニュース、水野晴郎に聞かせてあげたいものです。

それはともかく、本当に実現可能性はないのでしょうか?

昔であれば、列車なんかが通じたら、ロシアが軍隊を送り込んできて北海道はあっという間に占領されてしまう、といった懸念もあったでしょう。クリミア半島のことを考えると、ロシアという国は何をしでかすかわかったものではありません。しかし、このご時世、クリミアとは違い世界に冠たる先進国・日本に対してそんな暴挙ができるものでしょうか?

列車の軌道が云々と記事にもありますが、あたし自身は線路(レール)をつなげる必要はないと思っています。あくまでシベリア鉄道の終着駅は稚内でよく、札幌や、ましてや本州にまでそのまま乗り入れる必要はないと考えています。

「シベリア鉄道に乗りたかったら稚内まで行け」というスタンスです。レールをつながなければ、軌道の幅の問題は解決です。北海道的にも、稚内や札幌を素通りされるより、稚内の経済活性化のためには稚内を国際ターミナルに育てる方がよいのではないでしょうか?

最大のネックは、記事にもあるように稚内までの工事ではないでしょうか? 稚内を出発するとすぐに海です。まさか橋を架けるわけにはいかないですから海底トンネルですよね。青函トンネルよりも長いトンネル、技術的には可能でも、総工費はどれくらいになるのでしょう。その後も樺太を縦断してロシア本土へ向かうわけですが、凍てつく大地ですから、日常的なメンテも大変なのではないかと思います。

というわけで、実際問題として考えると、とても採算が合わない路線です。赤字を抱えるJR北海道にはとても負担できないでしょう。ロシアは日本のお金をあてにしているようですが、そこまで出すとは思えません。なにせ貨物輸送の需要もほとんどないようですから……

でも、この計画って採算ではなくて浪漫なんじゃないかと思うのです。稚内駅に豪華な特急列車が停まっている、行き先を見ると「モスクワ」とか、「ベルリン」、「イスタンブール」なんて書いてある……

それだけでも鉄道好きならワクワクするのではないでしょうか? もちろん撮り鉄が全国から稚内に集まるでしょうから、稚内の経済も多少は潤うと思います。日本国内の豪華列車の旅が話題になっていますが、「稚内発ベルリン行き」なんて、そんなのとは比較にならないくらいに浪漫をかき立てられませんでしょうか?

もちろん時にはパリやロンドンまでの臨時特急が走ったって構わないでしょう。いったい何日かかるのか、旅行代金はいくらなのか、そんなことはどうでもよくて、たぶん本当に豪華な客車であれば金を出す富豪はたくさんいると思います。