鹿などが増えすぎているというニュースが新聞やテレビでもしばしば伝えられます。だからオオカミを復活させよう、という意見もありますが、そう簡単な問題ではないようです。
科学的な問題はいろいろあるのでしょうが、それとは別にオオカミに対する恐怖というのもあるかと思います。もし襲われたらどうしよう、人はともかく家畜が襲われた場合の保証はどうなるのか、といった問題です。
家畜についてはひとまずおくとして、人を襲うというのは、やはり童話赤ずきんちゃんの影響が大きいようです。しかし、これはたぶんに欧米社会のオオカミに対する偏見によるものだということは『オオカミ 迫害から復権へ』にも書かれています。本来、日本では「大いなる神」で「オオカミ」と呼ばれていたくらい畏敬の対象であったはずなのに、いつのまにか恐怖の対象に変わってしまったようです。
ところが、やはりそういったオオカミ観は修正すべきだということでしょうか、先日テレビを見ていたら『3びきのかわいいオオカミ』という絵本が紹介されていました。ヨーロッパの作品で、日本でもずいぶん前に翻訳版が出ていたそうです。知りませんでした。
この作品ではオオカミはやさしいです。むしろかわいそうな存在です。ウェブサイトで試し読みもできますが、豚があまりにも凶暴なのにドン引きです(笑)。