あたしの勤務先のTwitterでも触れていますが、『グローバリゼーション・パラドクス』が地味に売り上げを伸ばしています。
そもそも新刊時にそれなりに話題になり、よく売れた本ですが、同書で中心的なテーマとなっている「民主主義」「国家主権」「グローバリゼーション」の三つは同時には成り立たない、どれか一つを諦めなければならない、という問題提起が、米国のトランプの大統領就任によって再び国際的なキーワードとして注目を浴びているからでしょう。
ロドリック『グローバリゼーション・パラドクス』が米大統領選トランプ氏当選を受けて更に売れています。勢いがついたのは英EU離脱決定以降。遠藤乾さんの新著『欧州複合危機』(中公新書)でも〈グローバル化―国家主権―民主主義〉のトリレンマはキーワード。世界の今を理解する為にぜひご一読を。 pic.twitter.com/CP97LJvfAA
— 白水社 (@hakusuisha) 2016年11月22日
あたしなんかがゴチャゴチャ言うよりも同書を読んでもらった方がよいのですが、例えば、中国などは「民主主義」を放棄して、「国家主権」と「グローバリズム」を選択している国となります。その一方、EUは各国の「国家主権」を捨てるような取り組みです。これに叛旗を翻したのが、先日の英国のEU離脱騒ぎです。
さて、上の写真は朝日新聞で連載されているピケティのコラムです。直接トリレンマについて語ってはいませんが、読めば読むほど、この「さんすくみ」について述べているように感じられます。やはり『グロ・パラ』、必読の文献です。