アパートの契約は慎重に?

アパートメント1303号室」視聴。もともとは「1303号室」という邦画ではなく、アメリカ資本の制作なので扱いとしては洋画になるのでしょうか、とにかくそれがあって、この作品はリメイクということになります。

 

さてストーリーですが、かつての栄光から抜け出せず、落ちぶれて酒浸りになっている元歌手の母。そんな母の束縛に耐えきれず家を飛び出した娘がアパートを借ります。姉は妹が一件目の物件を契約してしまったことに文句を言いつつも、妹の一人暮らしを応援しつつ、自分は母の元を逃れられないことにいらだちを覚えています。

さて、そんな妹が越してきたアパートの部屋はなんか不気味。悪臭も漂い、隣近所の住民も胡散臭さ満点です。そして、見えない影におびえるような妹は引っ越し二日目の晩、恋人が部屋を出た直後にベランダから転落死。姉は妹が自殺などするはずはないと、そのアパートにやってきて死の真相を突き止めようとします。

あたしは中越典子主演のオリジナルは見ていません。ネットなどを見る限り、本作はオリジナルにかなり近いような印象を受けますが、どんなところが違うのでしょうか?

さて、妹の死の真相ですが、妹の恋人は刑事で、姉と一緒に死の真相を突き止めようとアパートに泊まり込みます。が、これは実は姉が真犯人ではないかという疑惑を抱いていて、その証拠を得るために近づいたというのが本当のところでしょう。姉はクスリもちょっとやっていたようですし、最後にはアパートを訪ねてきた母を殺してしまいますから。

全体としては、この部屋にかつて住んでいて、母親に虐待された挙げ句、その母を殺し、腐乱死体の悪臭を住民に通報され、警察が踏み込んだときにベランダから飛び降り自殺した娘の悪霊が部屋に取り憑いていて、越してくる人を次々に死へ追いやっている、ということになっています。

が、本作に関わるところだけを見ると、これは完全に精神がいかれてしまった姉の凶行としか言えません。この部屋でかつて人が何人も死んでいるなんて聞かされたら、心の弱い人ならおかしくなっても不思議ではないでしょう。特に主人公の場合、母との関係で疲れはてていたわけですから。

あとは、もう少しじわじわとした恐怖の演出が欲しかったところですね。隣近所の住民も一癖も二癖もありそうなのに、肝心なところで活かしきれてないですし。