どこかで聞いたような話

読み終わった『ケイレブ・ウィリアムズ』ですが、なぜかどこかで聞いたことがあるような話という気がします。無実の罪を着せられた主人公が数々の困難を乗り越え、ついに自分を陥れた敵と対決するというストーリーは確かにありきたりと言えばありきたりです。

 

でも、ありきたりではありますが、比較的最近読んだような気がするので記憶を遡ってみましたら思い出しました。『中国 消し去られた記録』です。いえ、こちらは小説ではなくノンフィクション、つまり真実です。同書では、罪もない人たちが理不尽にも連行されて数々の暴行を受け、時には命を落とすこともあったわけですから、生き延びて雪辱を果たしたケイレブ・ウィリアムズはまだマシと言えます。

それにしても貴族社会のイギリスとはいえ小説の世界はかなり昔のこと。そりゃどの国にも差別意識はあるでしょうが、現在の英国は小説に描かれていたような国ではないはずです。しかし、中国では現在進行形でこんなことが起きているのです。

もう一つ、現在進行形の冤罪で思い出しました。北朝鮮のことです。『北朝鮮 14号管理所からの脱出』に描かれた世界も中国に負けず劣らずすさまじいものです。