被害者と加害者は本当に被害者と加害者なのか?

このところ似たようなニュースというか事件を目にします。

高2の少年 元交際相手16歳の少女を刺すとか、三鷹で起きたストーカー殺人の裁判とか。

もちろん他人に危害を加えることはいけないことですし、加害男性の行為は許されないことですが、こういう事件をテレビや新聞で聞いたり見たりすると、果たして本当に加害者だけが悪いのか、そんな風に思ってしまいます。つまり、被害者の側に問題はなかったのか、ということです。

だからといって殺してもよいという理由にはなりませんし、そんなことは百も承知です。それでも、そんな風に思ってしまうのは、あたしが高校時代に、殺人までは行かなかったのですが、同級生男子が起こした事件があったからです。

当日は、ほぼすべての夕刊が社会面で一番大きく扱っていましたので、同世代の人は覚えているかもしれません。事件の概要としては、付き合っていた女の子に冷たくされたので、その子を殺して自分も死ぬために警察官から拳銃を奪おうと思い、洋弓(ボーガン)で警察官を襲撃した、というものです。その同級生はその場で警察官に取り押さえられたわけですが、新聞論調としては「フラれてやけになった男子高校生」というストーリーが基調でした。

でも、実際に同級生として、そしてその男子生徒にしろ、きっかけとなった女性との方にしろ、よく知っているあたしからすれば、果たして男子の方だけが悪いとは一方的に言えなかったのです。もちろん「バカなことをしでかした」という感想は持ちましたが、その程度で男子生徒を責めるという気は起きませんでした。

あたしが高校生の頃は、リベンジポルノなんて言葉もなければ、ストーカーなんて言葉もない時代です。石川ひとみの「まちぶせ」が数年前にヒットしたような頃です。この歌って、まるでストーカーの歌ですよね?

閑話休題。ですから、こういった犯罪に対する世間の見方、マスコミの論調も今とはかなり異なりますので、そんな尺度で現在の事件を見てはいけないのでしょう。それでも、男性の方をそんな犯行に駆り立てるまで追い込んでしまった女性の残忍さ、冷酷さ、そういうものはなかったのでしょうか?

少なくとも、あたしが高校時代に経験した上述の事件では、身近な人間ほどそういう感想を抱いていたはずです。