古典が新鮮、だよね?

あと数日で終了ですが、ブックファースト新宿店で「古典が新鮮!」というフェアをやっています。別にあたしの勤務先のフェアではありませ。日本の古典、「源氏物語」「古事記」「平家物語」などの現代語訳をいろいろ集め、中にはコミックなども取り混ぜて一堂に会したフェアです。

さすが日本の古典です。こうしてみると、結構たくさん出ていますね。手に取りやすさを考慮してか、主に文庫本やソフトカバーの本が多かったですが、単行本も加えだしたら、それこそこのスペースではとても収まりきらないフェアになってしまったことでしょう。

古典に光を当てると言えば、光文社の古典新訳文庫が先駆者かもしれませんが、別に新訳でなくてもいいんです。ずいぶん古いけど、今に至るもこれぞ名訳、決定版、これを超える翻訳はもう出ない、と言われるようなものもたくさんありますから。とはいえ、新訳も既訳も、とにかく集められるだけ集めて、読み比べなんて、正月休みに如何でしょうか?

そして、古典と言っても日本のものだけではなく、海外にも目を向けて欲しいところ。ちょうど雑誌「MONKEY」のVOL.7が「古典復活」と銘打った特集を組んでいて、「復刊して欲しい翻訳小説リスト100」など海外文学の古典を特集しています。こちらは「復刊して欲しい」ですから、諸般の事情で版元品切れ、古本屋を探すか図書館で借りるしかないものばかりが挙がっています。あたしの勤務先の刊行物もいくつかあるので、申し訳ないかぎりです。

古典と一口に言っても、古事記のような数百年の星霜を経たものもあれば、たぶんいまの若い人にとっては夏目漱石だった古典になっちゃうのでしょうね。かなり幅が広いです。ギリシア神話や論語など、千年を優に超えるものもあり、翻訳だけでも両手に余るほど出ていそうです。これぞ、ザ・古典という感じです。

古典というのは、翻訳が何種類かあって読み比べができるのも楽しみ方の一つだと思います。前の話ですが、ある書店で、カフカやシェイクスピアを集められるだけ集めたフェアをやっているのを見たことがあります。これなども古典なればこそ。

出版社が品切れのままにしているのであれば、新訳を出すのも方法ですが、そういう品切れのものだけを集めて、電子化してパッケージにして売れないものでしょうか?