雑誌「ふらんす」の売れ行きが、このところ好調な理由を、あたしなりに考えてみた上での、やや気恥ずかしい結論のようなもの(爆)

あたしの勤務先から出ている月刊誌「ふらんす」の売り上げが派手ではないのですが、このところ比較的好調です。取り立てて、会社を挙げて増売運動を行なっているわけでもなく、それなのに調子がよいのはなぜなのか、思い当たる節が……

あえて言えば、本誌の内容がよくなった、としか言えません。ただ「よくなった」といったものは客観的な基準とか、わかりやすい数値で図れるものではなく、あくまで印象論でしかないわけで、それが果たして多くの読者の方にどの程度届いているのかは全くわかりません。

とはいえ、「わからない」では出版社の営業担当としては情けないですから、無い脳味噌を絞っていろいろ考えてみました。その結果おぼろげにこんな理由ではないか、といったものを思いつきました(汗)。

フランス人は10着しか服を持たない』という本があります。新聞などでも話題になり、あちこちの本屋さんで積まれているのを見かけます。実際に売れているようです。

この本のヒットに刺激されたからでしょうか、似たような本が次々に出版されまして、そういうのをひとまとめに並べ、ちょっとしたフェア展開している書店も目に付きます。目に入ったタイトルを挙げてみますと『フランス人は年をとるほど美しい』『パリのマダムに生涯恋愛現役の秘訣を学ぶ』『フランスマダムから学んだ最上級の女になる秘訣』『パリジェンヌ流おしゃれの魔法』『パリ流おしゃれアレンジ!』などなど、とにかくたくさん出ています。

  

 

2匹目のドジョウを狙ったものでしょうから、全部が売れているということはないと思いますが、これだけ出ていると「いま、トレンドはフランス流」と思い込まされてしまいます。それがよいわけでも悪いわけでもなく、ただ単にそういうものだと思うのです。

パラパラとページをめくり、なんとなく気に入ったものがあれば買っている女性が多いから、これだけ多くの本が出ているのでしょう。でもそうなると、やはりこういう本だけでは物足りなくなって、もう少し本格的にフランスについて知りたい、フランスのことを身につけたいと思う女性が現われるのも自然なことだと思います。

そういう人が、気軽にフランスについて知ろうと思った時に適当な本があるかと言われると、なかなか手頃なものがないですね。雑誌の特集でパリやフランスを取り上げていてもやはり通り一遍のものになってしまいがちですから。

そんな意識の高い方々の中で、雑誌「ふらんす」を見つけた人がこのところ増えているのではないでしょうか? 付け焼き刃の知識ではダメ、腰を据えてフランスについて知ろうと思ったら「フランス語学習とフランス語圏文化に関する唯一の月刊誌」である「ふらんす」に行き着くのは自然の流れです。毎月ふらんすを講読して、フランスについて学ぼうという方が増えてきている、それが「ふらんす」好調の一因ではないかと、やや牽強付会気味に、あたしは思うのです。