電子辞書のこと

新年度、新学期を控えて、あたしの勤務先でもテキストの出荷が佳境を迎えています。このダイアリーでも何度か書いたかと思いますが、あたしの勤務先の柱の一つは大学の語学テキストです。中国語や韓国語を中心に、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、ロシア語などを出しています。4月からの授業で使う商品ですから、今が出荷のピークとなるのです。

さて、一昔前なら、語学の授業と言えば教科書と辞書というのが定番でした。語学を勉強するのに辞書がなければ話になりません。そして、勉強が進み出すと参考書を探すという順番になると思います。

ところが、学生の気質が変わったのか、世の不景気のあおりなのか、はたまた本以外にお金の使途ができたからなのか、年々辞書や参考書の売り上げは落ちています。もちろん一般書店ではサラリーマンやOL向けに、生涯学習ブームも相俟ってそれなりに売れていますが、大学での売れ方が極端に落ちています。

原因のひとつに電子辞書があると言われますが、言われたのは、これも一昔前という気がします。確かに簡単な単語集レベルではなく本格的な辞書、それもフランス語やドイツ語、中国語の辞書が搭載された電子辞書が競うように発売された数年前(もう10年以上前?)には、紙の辞書が落ち込んで電子辞書に取って代わられると言われ、一部にはそういう現象も見られました。実際には紙の辞書の学習効果も指摘され、紙の辞書が健闘していると言えますが、紙と電子を足しても、かつてほどの売り上げにはなっていないのが現状です。

数年前まであたしは、かつて小学生か中学生の頃、学校の授業で辞書の(もちろん紙の)使い方を習ったことがあり、これからは授業で電子辞書の使い方を教えるべきではないかと思っていました。もちろん、情報教育といった科目で電子辞書に限らず、ぱ疎音の使い方、ネットとの関わり方といったものは教えられているのでしょうけど、昨今のネット犯罪の低年齢化を見るにつけ、きちんと教えられている気がしません。

でも、とりあえず電子辞書やパソコンはおいておき、これからはスマホではないかという気がします。

あたしの勤務先で出している語学の辞書、一部は電子辞書になっているものもありますが、今後も電子辞書市場って成長するのでしょうか? 単体としての電子辞書やROMカード形式の電子辞書はかなり使い勝手もよくなっていると思いますが、世の若者を見ている限り、早晩、単体としての電子辞書ではなく、スマホのアプリとしての電子辞書に取って代わられるのではないかと思います。素人考えですが、ガラケーにフランス語やドイツ語、中国語などの語学の辞書の載せるより、スマホのアプリの方が製作の敷居が低いような気がするのですが、いかがでしょう?

そして、スマホアプリとなった時、いくらくらいなら売れる(買ってもらえる)のでしょうか?