「She」イッキ見

この春にフジテレビ系で放送されていたドラマ「She」を録画しておいたのですが、全5話をようやく視ました。注目の若手女優がいろいろ出ているのが話題でもありましたが、謎解きが最後にどうなるのかも気になるところです。

ということで主演は松岡茉優ですか? 主役と言うにはちょっと地味めな顔立ちですが、見ているとなんとなく惹かれてしまうタイプでしょうか。たぶん人によって「この子カワイイ」となったり、「なんだよ、ブスじゃん」となるタイプでしょう。いえ、貶しているのではなく褒めているつもりです。女優として大成するには、それくらいの方がよいと思うので。

彼女が突然いなくなった学校一の美女で親友の失踪理由を解明しようとする作品です。そしてその失踪した親友が中条あやみです。あれ、学校一の美少女で失踪してしまうって、「劇場版 零~ゼロ~」と同じ役回りじゃないですか? 確かに彼女にはこういういミステリアスな役柄が似合いますよね。

そして、事件解決の鍵を握る友人役に森川葵って、これもまんま「零」と同じ組み合わせ。二人は事務所が異なりますからバーターというわけではないと思いますが、不思議な縁を感じます。

 

そして、このドラマにはもう一人、あたしがずいぶん前から注目している若手女優、竹富聖花も出ていました。実はあたしはもう数年前から注目していた女優さんです。今回は(今回も)癖のある役でしたね。

さて、もうドラマはとうの昔に放送終了しており、フジテレビオンデマンドで配信もされているので、ストーリーを書いてもネタバレとは言われないでしょうから書いてしまいますと、結局は事件に巻き込まれたのでもなければ、誰か犯人がいたのでもなく、中条あやみ演じるあづさはみずから失踪したのですね。いや、失踪という言葉は正しくないかも知れない。母親から逃げて、本当に自分に戻ったと言うべきでしょうか?

第4話まで、散々クラスメートとあづさとの悶着を描き、クラスメート同士の関係もグチャグチャにしておいて、誰が仕掛けたかわからない隠しカメラや盗聴器が出てきて、いったんは外部犯行説や学校当局犯人説も頭をよぎりましたが、結局はあづさの母親が盗聴器を仕掛けていたということがわかった時点で最終話へ。

その最終話では、生徒たちが盗聴器をすべて回収させるよう仕組み、あづさの母親はそれにハマってどうやらみずからカメラなどを回収したようで、結局は愛情過多の母親から娘は逃げ出したということで学校内では落ち着いてしまったわけです。しかし、何か腑に落ちない主人公の松岡茉優はもう一度これまでの状況などを洗い直してみて驚愕の事実を発見してしまうのです。それはあづさが実はあづさではなかったという事実。

ドラマでははっきりとは描かれていませんが、幼いころ病弱だったあづさは入退院を繰り返していたようです。しかし、たぶん亡くなってしまったのでしょうね。そして母親に狂気が目覚め、ある病院からあづさと同い年の子どもを誘拐してしまうということになるのです。毎回ドラマの最初に少女がいなくなったことに対して近所の人のインタビューコメントが出ていましたが、あれはあづさの失踪に対してではなく、十数年前の女の子誘拐事件当時のVTRだったのですね。

母親はそれを娘に知られるのを恐れ、異常なまでにあづさ(ではなく、誘拐されてきた女の子、本名は玲花)に執着するようになったわけです。もちろんあづさはそんなことも知らずに大きくなりますが、幼なじみの森川葵演じる千里に幼いころに撮った写真を見せられて、そこに写っているのが自分でないことに気づきます。「じゃあ、自分は誰?」と調べ始め、主人公が発見したのと同じ事実にたどりついたのでしょう。そして、母親に悟られることなく、また失踪理由も真実を知ったからだと母親に気づかれないよう、クラスメートが失踪の理由であるかのような演技をし、失踪の機会を狙っていたわけです。

と書いてしまうと、今度はなんとなく『八日目の蝉』を思い出してしまいますね。

 

そんなことありませんか?

結局、あづさは本当の両親の元へ戻ったのでしょうか。十数年の歳月を経て、それなりに多感な時期を誘拐犯とはいえ、自分に愛情を注いで育ててくれた母親を捨て、本当の親の元へ戻ってやり直せるものでしょうか? それに、あづさがどこへ行ったかは、事件に巻き込まれたのでなければ、育ての、というか誘拐犯である母親もいづれ気づきますよね? しかし、名乗り出るわけにはいかないから遠くから見守るだけでしょうか。

あづさがあづさではなかったと知っているのは母親と主人公だけ。いつか主人公はあづさ改め玲花に逢いに行くことはあるのでしょうか?