きわめて個人的な四六判宣言

新刊『ある夢想者の肖像』の著者はスティーヴン・ミルハウザーです。ミルハウザーの作品は、ほぼすべて邦訳はあたしの勤務先から出ているのですが、今回の新刊以外はすべてUブックスという新書サイズの、ハンディーなタイプです。他社で言うところの「文庫」です。

持つにも手ごろですが、お値段も手軽になるので、どうしても文庫化の流れは止めようがありませんが、前著『ナイフ投げ師』はUブックス版の他に、まだ単行本も在庫があります。

 

ご覧のように、装丁も単行本を意識したものになっていますが、ちょっと寂しいでしょうか? それともすっきりしていると感じますか? 値段と重さが異なりますから、もうこれは人それぞれ、好き好きとしか言いようがありませんね。

で、Uブックスと今回の新刊を並べてみますと、上のような感じです。これはこれでいいじゃないか、と思う方もいらっしゃることでしょう。

でも、上のように単行本で並べてみると如何でしょう? やはり、この方がバランスがよい、ゴールデンコンビという感じがしませんか? あたしは断然、こちらの方が好みです。装丁は本にとって大事な要素ですから疎かにはできません。そう考えたとき、やはり単行本には単行本をペアリングさせたいものです。

四六判の風合い、たまりません! この機会にミルハウザーを買ってみようと思っている方、上掲以外の既刊は新書サイズのUブックス版しかありませんが、『ナイフ投げ師』だけは是非、四六判、単行本をお買い求めになっては如何でしょう。