もはや動物パニックではない!

録っておいた『メガ・シャークVSメカ・シャーク』を視聴。

干ばつ対策として氷山の塊をエジプトのアレクサンドリア港へ向けて曳航中の貨物船。港を前にした地中海で氷山が溶けてきたのか亀裂が走り、なかなか閉じ込められていた巨大なサメが出現し、人びとを襲い始めます。そのあまりの巨大さと破壊力は、尾びれで叩いた貨物船だったか建物の一部が飛んでいって、スフィンクスの頭を壊してしまうほど。いや、このシーンは単なるギャグでしょう?

その後巨大ザメは地中海を荒らし回った後大西洋へ。世界中で海洋が封鎖され、世界経済にも深刻な影響が出ます。巨大ザメのジャンプ力は半端なものではなく、上空を飛ぶ飛行機も襲われるほどの跳躍。海だけではなく、空も飛行制限がされる始末。一刻も早くサメを退治しないと世界経済どころか人類の生活もめちゃめちゃになりそうな感じです。

さて、米軍も必死の戦いを試みるものの、と書きたいところですが、あまりにもあっさりやられてばかりで、いったい何をやっているのか。で、対抗策はサメ型巨大潜水艦で戦いを挑もうという作戦。蘇った巨大ザメは太古の時代に産卵場だった、現在のシドニーへ向かっているとわかり、そこで交尾する相手が見つからなければ凶暴化するという古生物(?)学者の説を利用し、サメ型潜水艦と闘わせようというもの。

なんでずーっと氷山にと事故られていたのに蘇ることができたのか、なんで米軍はサメ型の潜水艦なんかを開発していたのか、サメ型潜水艦が他の米軍の艦船に比べてそれほど高性能なのか、突っ込んだらきりがない映画です。更にはサメ型潜水艦に搭載される人工知能ネロとか、その潜水艦を操作する夫婦の愛情、その夫婦にはかつて幼い娘を病気で亡くしたという暗い過去があり、なんてB級なストーリーを織り込み、巨大サメ退治に向かっていきます。

シドニーの街は中途半端なパニックになります。途中、母親とはぐれた女の子を助けるのですが、この女の子がとにかく意味もわからず言うことを聞かずに勝手な行動を取ります。こんな娘、助ける必要があるのかと思えるほどです。あのシーン、何のためにあったのでしょうか?

さて最終的にメカシャーク(サメ型潜水艦)がどうやってメガシャークを倒すのか。サメは短波などを感知すると怒りモードになって襲ってくるという特性を生かし、メカシャークに搭載されている魚雷のそばで音波を出します。そこをめがけてメガシャークが襲ってきて、大きな口でがぶりと噛みつくと、そのまま魚雷が爆発し、メガ、メカ共に木っ端微塵。メガシャークの動きが速く、米軍のミサイルもメカシャークの魚雷もすべてよけられてしまったので、魚雷を撃つのではなく魚雷に噛みつかせて爆破するとは、ある意味、よく考えた退治法ですが……

それにしても、アメリカってあれほどすばらしい映画を作っているのに、その一方でこんな映画も作っているとは。懐の深さを感じます。