併売は困難?

他社の本ですが、こんな本が目に留まりました。

 

『満蒙開拓、夢はるかなり()』です。この書名、古代から近現代まで時代を問わない中国史好きとしては気になるタイトルです。しかし、それよりもより強く目に飛び込んできたのは、少し前に平凡社新書の『移民たちの「満州」 満蒙開拓団の虚と実』を読んでいたからです。

副題にある「加藤寛治」という名が見えますが、この名前が平凡社新書の中でも繰り返し出てきていたのです。それにどちらも今年の7月に前後して刊行された本のようです。迂闊にも平凡社新書はすぐに買って読んだのですが、「夢はるかなり」の方は今ごろになって知った次第。

いや、方や単行本、方や新書ですから、配本数が桁違いでしょう。そうなると両方が入荷した書店は限られているはず、「夢はるかなり」を見つけられなくても仕方ないかも知れません。それに両方入荷したとしても、新書と単行本ですから置く場所が異なります。入荷商品の仕分けの段階で全く違う棚に回されてしまうでしょう。新書か単行本かどちらかの担当者が気づくのも至難だったかも知れません。

しかし、これだけ関連のあるテーマ。たぶん一方を買った人ならもう一方にも関心を持つはずです。確かに新書の安さ、手ごろさと単行本の価格、特に今回の場合は上下本ですから揃えて買えば5000円を優に超えてしまいます。躊躇する人がほとんどではないでしょうか? それでも「こんな本も出ているんだ、懐具合に余裕のあるときに買ってみよう」とか、「近くの図書館に探しに行ってみよう」とか、そういう読書意欲をかき立てる効果はあるはずです。

なんとかならないものでしょうかね?