対訳本の新たな流れ?

語学書の棚でこんな本を見つけました。

やさしいロシア語で読む 罪と罰』です。ロシアの文豪ドストエフスキーの名著を親しみやすくした語学書という感じです。が、IBCパブリッシングと言えば、この前に『ロシア語で読む罪と罰』を出していたはずです。

 

この両者を比べてみますと、前者は完全にロシア語の文章だけです。かなりダイジェスト版になっていますが、ある意味「原書」と呼んでよいかも知れません。それに対して後者は対訳です。ちょっとした注もついていますから、いわゆる対訳形式の語学書です。

きちんと比べたわけではありませんが、後者がほぼ一年前に刊行され、前者がつい最近刊行になったばかりの本です。まず最初に対訳ものを出版し、その後、対訳を省略し本文(原文)だけのものを刊行したという形になりますが、「訳なんか要らない」という学習者の需要や要望がかなりあったのでしょうか?

しかし、このところ対訳の語学書はなかなかの盛況です。IBCパブリッシングの対訳本については以前にも書きましたが、ロシア語でもこうして刊行が続くとなると、ますます対訳本人気は高まりそうですね。