モニュメンツ・メン

今朝の情報番組で、映画「ミケランジェロ・プロジェクト」が、11月にいよいよ日本公開と報じていました。

ミケランジェロ・プロジェクトって聞いても、たいていの日本人は知りませんよね? ウキペディアにも映画作品として立項されていますが、歴史事実についても書かれていますので、詳しく知りたい方はそちらをご覧ください。

で、簡単に言ってしまいますと、第二次世界大戦でナチ・ドイツによって強奪された各国に美術品を取り戻す活動のことで、そのために作られたのが「モニュメンツ・メン」というチームです。

まあ、戦争において略奪はつきものですから、ナチがそういうことを行なったというのも決して不思議ではありません。まして、ヒトラーはそれなりに芸術に関心を持っていた人物だったようですから、ヨーロッパの名品を自身の手元に置いておきたいと思ったとしても不思議ではないでしょう。しかし、盗られた方としてはたまったものではありませんし、ナチ・ドイツ崩壊の過程で、それらの芸術作品がどうなってしまうのか、非常に不安だったと思います。ヒトラーみたいなタイプの人は、自分と道連れに芸術品も葬り去ろうと考えがちで、事実、そのような歴史上の人物はたくさんいるわけですから。

ところで、個人的にはこの映画、ようやく公開になるのか、という思いが強いです。なぜなら、本当に日本で公開されるのか、ずいぶんと危ぶまれた時期もあったからです。リンクを貼ったページに、そのあたりの事情やこの作品の解説が載っていますので、興味がおありの方はどうぞ。

さて本題と言いますか、大切なお知らせですが、この映画の原作は『ナチ略奪美術品を救え』です。はい、あたしの勤務先の刊行物です。なかなかよいお値段ですが、そもそもがこんな大作映画になるというような娯楽作品ではなく、モニュメンツ・メンの活動を丹念に追った歴史ノンフィクションなのです。

 

ナチ・ドイツと略奪美術品と言いますと、先日このダイアリーでもご紹介した『ナチスの財宝』がありますが、同書は戦後から現在に至る、ドイツのトレジャーハンターのお話で、モニュメンツ・メンの活動を追ったものではありません。それでもナチスと略奪美術品について大まかなところは理解できると思います。またこれ以外にも、ナチと略奪美術品についてはいくつか書籍も出ていますので、書店でフェアをするのも可能だと思います。

 

ちなみにあたしの勤務先からですと、『ユダヤ人財産はだれのものか』『ヨーロッパの略奪』といった書籍がございます。