連合国よ、連合せよ!

第二次世界大戦1939-45(中)』読了。

相変わらず、連合国、仲が悪いです。イギリスは、というか、チャーチルは大英帝国の夢を引きずって、アメリカを利用しようとばかり考えています。そしてソ連に対しては根本的な不信感が抜きがたいです。アメリカは、ソ連に対してチャーチルほどの敵意や不信感は持っていませんが、むしろイギリスの口車にうっかり乗ってなるものか、という態度がありありです。

それにしても、ドイツは強いです。確かにこの「中巻」ではスターリングラードでの手痛い敗北や、北アフリカでの撤退戦、後半になるとイタリアの休戦とシチリアやイタリア半島上陸など、既に劣勢に追い込まれ、敗色が見えてきていますが、それでも個々の戦い、司令官や兵士のレベルでは連合国をはるかに上回っていると感じます。ヨーロッパの戦線において、イタリアはほとんど役に立っていませんし、日本は遠い極東で戦っていて、そもそもヒトラーからすれば数のうちに入っていないでしょう。少しでもソ連軍を極東に引きつけてくれればラッキーという程度の期待しか持っていないようです。

つまり、事実上、ドイツ単独でソ連、イギリス、アメリカと戦っているわけで、それなのにかなりの奮闘ぶりです。もし三か国ではなく一国だけと戦っているのであれば確実にドイツが勝ったのではないでしょうか? やはり、適当なところで兵を退く、終戦工作を考えておくべきだったと思います。それは日本についても言えますが。

  

  

さて、この「中巻」までを読んだならば、『赤軍記者グロースマン』『スターリンの将軍 ジューコフ』『クルスクの戦い1943』『運命の選択1940-41()』『レニングラード封鎖』、こういった書籍を併せ読むとよいのかも知れません。

ささ、いよいよ最終、下巻です!