祝祭と広場について

青山ブックセンター本店で行なわれた、磯崎新さんと安藤礼二さんのトークイベントに行って来ました。連続四回公演の最終回。今回は沖縄の離島や福岡の宗像神社などの祭祀などの話を枕に、折口信夫や井筒俊彦、西田幾多郎といった名前が飛び出し、非常に面白い対談でした。

今回の連続トークイベント、磯崎さんは皇居前広場を取り上げ、祝祭空間としての広場について語られましたが、トークイベントを重ね、最終回で再び祝祭と広場について話が戻るという構成。なかなかよく考えられています。

 

お二人が語っているように、伊勢神宮などが代表的ですが、日本は永遠に残るような建物を作るというよりも、作り替えたり、作り直したりする傾向があります。あるいは、その一回の祭祀のためだけに施設を作り、祭祀が終わったらすぐに壊してしまうというところもあります。それは伝統や文化の継承でもあり、気持ち・精神の継承でもあるのでしょう。

 

さて、作ったらすぐに壊す、だから祭祀の場には何も残っていない。あえて何も残さずに、何もない空間としておく。それが日本の伝統だったのかも知れませんが、昨今の日本はどこもかしこも建築ラッシュ、あらゆる隙間を建物で埋め尽くそうとしているように感じられると磯崎さんが語っていたような……

ところで会場で安藤さんの『この女を見よ 本庄幽蘭と隠された近代日本』という新刊を購入しました(サインももらいました)。不勉強で本庄幽蘭という女性を初めて知りました。新宿中村屋とも関係がある方とは!