新刊『マルクス ある十九世紀人の生涯(上・下)』は刊行前の書店員さんの注目は高い本でした。
で、実際に刊行され、まだ二週間くらいですから、売れてるとも売れていないとも言える段階ではありませんが、今のところ悪い動きではないようです。まあ、上下本の大冊ですから、そうそう飛ぶように売れるとは、こちらも思っているわけではないので、じわじわとじっくり売れていって欲しいと思います。
が、世間ではピケティのブームもあって、ちょっとしたマルクス再評価、再注目の空気があるような気がします。だって、『高校生からのマルクス漫画講座』なんて本が出ているくらいですから。
それに内田樹さんが『若者よ、マルクスを読もう』『若者よ、マルクスを読もうⅡ』なんて本を出していますよね。そして真打ちと呼ぶべきかわかりませんが、『マルクス(上・下)』のオビ推薦をいただいた佐藤優さんも『マルクスと日本人』を刊行しましたし。
いまマルクスなのか、それとも『資本論』なのか?
あたしにはわかりませんが、これだけ格差社会と言われると、格差を解消しようと思索したマルクスが再び脚光を浴びるのも頷けます。しかし、さすがに『資本論』を読み通すのは至難でしょうから、こういった本が出版されているのだと思います。
となると、マルクスが生きた十九世紀という時代の中でマルクスについて考え、その時代においてマルクスは何を見、何を感じ、何を思索したのかを描く『マルクス(上・下)』はやはり外せない一書ではないでしょうか?