CSのムービープラスで「サメフェス2015」が放送されました。
サメ映画ばかりが放送されるウイークで、かつて何度か見ている「ディープ・ブルー」以外は未見の作品なので、すべて録画しまして、まずは二作品を視聴しました。「パニック・マーケット」と「シャークトパスVSプテラクーダ」です。
ちなみに「ディープ・ブルー」はサメの知能を科学的に発達させるという設定でしたが、サメ映画というとそんな風にサメに手を加えるか、元祖ジョーズのように巨大化させるか、そのどちらかという気がします。
まずは「パニック・マーケット」です。舞台はオーストリアです。かつて親友がサメに襲われて死んでしまった心の傷が癒えない主人公、その親友の妹であり主人公の元カノが主人公が働くスーパーマーケットに現われ、そこに強盗が押し入り、悲鳴が上がったりしているときに突然の津波。どうやら巨大地震が起こったようです。海の近くなので海水が流れ込んできて、一緒に魚たちも泳ぎ回る店内。少しずつ水かさも増してきますし、地震の余震が時々襲ってきます。
しかし、そんなことだけなら瓦礫をかき分け外へ脱出すればいいだけの話。あろうことかサメが店内をおよびまわり、水に落ちた人たちを襲うのです。このサメ、体長が4メートル弱と決して巨大ではありません。商品陳列棚にアタックしたり、ぶっ壊したりして生存者を水の中に落とす、といった知能や芸当があるわけでもないです。ただひたすら泳ぎ回っているだけ、たまたま近くに人がいたら襲うというだけなので、襲ってくる怖さは感じられないです。
さて、この手の映画ではサメ自体も肝心ですが、生き残った人間のドラマの出来が映画全体の出来を左右すると思うのですが、その点では割とマシです。B級映画にしてはよくできていると思います。親子のわだかまりが解けたり、元恋人同士が復縁したり(その影に今カレの死がある!)、自分勝手に助かろうとする役回りの人がちゃんと見どころを作って……
特に地下の駐車場と主人公たちがいる売り場という、2つの舞台を用意しているところがこれまでにはなかった点かも知れません。ただ、自分勝手な奴のせいで主人公たちがもっと苦しい目に遭うとか、危機的状況が更に絶望的になるとか、そういったハラハラ感をもっと作って方がよかったのではないかという気がします。それに最終的なサメの仕留め方もなんかパッとしないです。そこが残念です。
続いては「シャークトパス VS プテラクーダ」です。もうタイトルだけでB級どころかZ級のようなチープ感が漂いますが……
こちらは科学者が、遺伝子操作で「バラクーダ」と「プテラノドン」を合成した「プテラクーダ」という水陸両生、空も飛べる怪物を作りだし、コンピュータで操作していたのが、他人にハッキングされて暴走、人を襲い始めます。一方、主人公の女性動物生態学者はたまたまサメとタコが合体した「シャークトパス」を見つけ、おじさんが経営するマリンパークで飼育を始めます。実はこのシャークトパスも科学者が先に作りだした生物だったのですが失敗作として処分されたはずなのに、たまたま生き残ってしまった一体だったのです。そして、この二頭を戦わせて相打ちにさせ葬ろうとするのですが……
とにかく、こんな生物が存在するわけがないので、すべてCGですが、それが安っぽいです。CGですから、人を襲うところもリアルさに欠けます。いや、役者たちは、ここで襲われるとイメージして必死に演技しているのでしょうけど、いかんせん襲ってくる怪物が安っぽいので怖くも何ともありません。
肝心の人間ドラマも薄っぺらで、とてもお金を取って映画館で上映するような作品とは思えない、と言ってしまったら言いすぎでしょうか?
さて、残り2作品はどんな作品なのでしょうか?