マグリット的なるもの

国立新美術館マグリット展、仕事帰りに行って来ました。もう少し混んでいるかと思ったのですが、意外と空いていました。やはり展覧会は、このくらいの混雑具合、空き具合がいいですね。東博や都美、西美などで門の外まで並んでいるような展覧会は異常だと思います。

さて、マグリット展。マグリットの時代を追って作品が並んでいるのですが、あたし程度の素人だとマグリットと言って思い出すような作品と言えば展覧会ウェブサイトにも載っているような空と雲をモチーフにしたものとか、森と騎馬人物などでしょうか。

しかし今回の展覧会で、あたしなどが知っているマグリットというのは本の一部にすぎない、ということがわかりました。初期のころは、「えっ、これがマグリット?」というような作品で、むしろ誰とにわかには言えないのですが、なんとなく誰かの作品っぽいものが多い気がしました。その後もシュルレアリスムの時代のマスクをかぶった恋人などはどこかで見覚えのある絵ですが、なんか暗い感じがしました。

そして徐々に明るい空を描くようになってくるのですが、それでもどことなく暗い影が見え隠れする作品が多いようで、それがマグリットなのでしょうね。途中、ロートレックっぽい作品とか、アメリカンコミックのような作品も織り交ぜられていましたが、マグリットの作風もかなりの紆余曲折があるんだなあと思いながらの鑑賞でした。

さて、いつものように図録を購入しましたが、一筆箋は売ってなかったですね。せっかくこれだけ面白い絵が展示されているのですから、それをモチーフにした一筆箋があってもよさそうなものなのに、と思ったのですが、ショップでは見つけられませんでした。そして、あたしのお目当てのネクタイですが、実はショップでは一つ売っていました。「ゴルコンダ」という作品に登場する山高帽をかぶった紳士がたくさん登場する図柄のネクタイでした。しかし、やや黄色が買ったベージュ一色で、紳士もよく見ないとわかりにくい代物だったので、そんなネクタイに1万円近くも払うわけにはいきませんので諦めました。個人的には「白紙委任状」「空の鳥」「恋人たち」をあしらったネクタイがあればと思ったのですが残念です。