こんどはパート2

本日の映画鑑賞は「リング2」です。

久しぶりの鑑賞です。既に何回かWOWOWでも地上波でも放映してますよね? 先週の「リング0~バースデイ~」と同じ頃、WOWOWで放映されていたのを録っておいたものです。「リング0」が「リング」シリーズとは全く別ものと見た方がよい作品であるのに対し、こちらは一応は続編です。真田広之も松嶋菜々子も出ています。ちなみに、松嶋菜々子、若いですね。当然のことですが。

前作がJホラーの金字塔的な作品になったわけですが、本作はややピントがぼけている気がします。呪いのビデオを科学的に捜査、検証するわけでもなく、小日向文世演じる科学者(←こちらも若い!)が科学的に解明しようとするも、なんとなくすっきりしない展開です。中谷美紀が若くてかわいくて、強いのだか弱いのだかわからない役を演じていますが、こちらも主役というにしては決定的な役割を演じきっていないようなところを感じます。

全く中谷美紀の脳内妄想だけで進行、展開しているのではないかと思われる作品で、結局、貞子の呪いは子供の体から離れたのか、死んだはずの深田恭子の体を借りて生き続けているのか、そんなところもわかりにくい結末です。次回作、パート3を意識したエンディングなのか、それとも収拾がつかなくなってこんな風になったのか。

そもそも鈴木光司の構想とは懸け離れ、全くのホラー作品になってしまったわけですから、ここから原作に戻そうというのが無理だったのかもしれませんね。それでも、中谷美紀がかわいかったから堪能できました。そう言えば、一連のテレビドラマ版「リング」では、この役は矢田亜希子が演じていましたね。懐かしいです。

さて、時間がまだあったのでもう一作。

こんどは洋画、「キラー・インサイド・ミー」です。原作の翻訳が出版されているのですね。それも、河出書房新社の『内なる殺人者』と扶桑社の『おれの中の殺し屋』という二つも。映画を見た感想は、翻訳が二つモデルほどの傑作とは思えない、というところです。もちろん原作は傑作なのに、映画がそれをぶち壊している可能性もあるのでしょうが……

誰でも心の中に狂気を持っている、という設定は悪くないと思います。でも、それが表われるきっかけがなんともお粗末。子供の頃の体験が尾を引いているということらしいですが、あれだけの映像ではよくわかりません。そもそも主人公の抱えた心の闇が全く表現できていないと思います。

もちろん、これでもかというくらい狂気を見せつければよいというわけではありませんし、いたずらに主人公が狂う必要もありません。ああいうクールに顔色一つ変えず人を殺せる人というのもいるでしょう。でも映画である以上、見る人にもう少し説明があってもよいのではないでしょうか? これは全くの駄作なのか、それとも新しい映画の手法なのか?