夢の持てる業界に?

Facebookにも書いたのでちょっとくどくなりますが、改めて……(汗)

AKB48の人気ナンバーワン、渡辺麻友が、4月から始まるフジテレビ系のドラマに主演するそうです。彼女にとっては初のゴールデンタイムのドラマに主演するということで、たぶんAKBのヲタたちは狂喜乱舞していることでしょう。あたしとしては、そういうことよりもドラマのテーマの方が気になります。

とりあえず、ドラマのタイトルは「戦う!書店ガール」だそうです。はい、主演がまゆゆであろうとなかろうと気になってしまうタイトルです。原作は碧野圭さんのベストセラー『書店ガール』だそうです。

  

人気シリーズで、文庫本が3冊刊行されています。ただし、最初は単行本で出ていて、その時のタイトルは『ブックストア・ウォーズ』と言いました。

タイトルからもわかるとおり、書店を取り巻く厳しい現状を描いた、まさしく修羅場を描いた作品でした。文庫化され2巻目、3巻目が出るようになると、もう少し人間模様というか、若干恋愛的要素も入ってきたかな、という感じがしましたが、相変わらずこの業界の厳しさは変わっていないようです。

ドラマがどこまでこの業界の苦しさ、現状を描くことになるのかわかりません。中途半端に恋愛要素を絡めず、社会派ドラマと呼ばれるようなものを目指してもらいたいと思います。とはいえ、それによって「ああ、出版業界、書店業界は将来性のない分野だ」と思われてしまうのも癪です。確かに長引く不景気は業界に暗い影を落としていますが、この作品で描かれているように日々奮闘している書店員さんもたくさんいるわけで、ドラマではあまり綺麗事になりすぎず、かといってくらい印象だけを植えつけることのないように作ってもらえたら、と思っています。

実際問題、この数年、大きな商業施設ができても、そこに書店が無いということが多くなりました。たとえば表参道ヒルズに書店はあるでしょうか? 虎ノ門ヒルズはどうでしょう? どちらも書店が入っているという印象派ありませんよね。実際にも入っていません。かつては、こういう商業施設ができると聞くと、出版社の人間は「こんどはどこの書店が入るのだろう?」という話題が出たものです。「イトーヨーカ堂ならくまざわ書店かな?」「イオンモールなら未来屋書店かな?」「ゆめタウンだと紀伊國屋書店か?」といった会話が交わされたものです。それがこの数年は「どこの書店が?」ではなく、「書店は入るのか、入らないのか?」という会話になってしまっています。渋谷のヒカリエが象徴的だったと記憶しています。東京の主要ターミナルの駅前の商業施設なのに書店がないなんて……

もう一つ感じるのは、時々新聞やテレビで発表される「招来なりたい職業」にテレビの「アナウンサー」はランクインしたとしても「編集者」はない、「花屋さん」「ケーキ屋さん」はあっとしても「本屋さん」は見たことがありません。キッザニアでも本屋さんとか、出版といった職業体験はありませんよね。こういったところにこの業界の現状が表われているような気がします。

なので、今回のドラマで少しでもこの業界に将来性を抱いてくれる人が現われると嬉しいと思いますし、本屋さんに来る人、本屋さんで本を買う人が増えてくれると更に嬉しく思います。そのためにも、渡辺麻友が主演ということだけがフィーチャーされるのではなく、硬派なドラマとして内容で勝負してもらいたいところです。

ところで、「渡辺麻友のようなカワイイ女の子なんているの?」と思う人も多いのではないかと思います。書店員さんには社員とパート・アルバイトがありますし、社員といっても正社員と契約社員・時間社員といった違いもありますが、そんな区別は抜きに、とにかく書店で働いている人ということで言えば、渡辺麻友のようにかわいい人はいます。いや、カワイイとかそうでないというのは個人の好みが大きいですから、まゆゆを規準にして話をしても意味がないかも知れませんが、客観的に言ってカワイイ、きれいと呼べる人はたくさんいます。ケーキ屋さんとかファッション、アパレル系ほどではありませんが、書店というのは女性の多い職場だと思います。だから、「あんなカワイイ子が働いているわけないだろう」という意見があったとすれば、あたしはそれに自信を持って否と答えることができます。いや、個人の好みで言わせてもらえれば、まゆゆよりもカワイイ子がいると断言できます。(『書店不屈宣言』にもきれいな書店員さんが紹介されています!)

閑話休題。

書店業界、出版業界を扱った本は何冊も出ています。雑誌でも本屋さん特集はしばしば見かけます。でも、あたしの漠たる印象ですと、結局そういう本って業界の人の間だけでしか話題になっていない気がします。業界にいる人間にとってはそのうちの何冊かは目を通している人も多いでしょうが、業界外にまで波及しているのかというと微妙だと感じます。せっかくこういうドラマが放映されるわけですから、業界外の人にも関心や興味を持ってもらえると嬉しいと思いますし、それを願っています。

でも、ドラマの影響で出版・書店業界に関心を持ってくれる人が増えるよりも、本屋で本を買ってくれる人が増えることの方が嬉しいです。本を好きになってくれる人が今以上に増えてくれると嬉しいです。だから主演の二人には、本を読んでいたり、本を持っているようなシーンが多いことを願っています。まゆゆが仕事終えて家に帰り、寝るまえに部屋で、あるいはベッドの中で『2666』なんて読んでいたらちょっと格好よくないですか?

ところで原作を読んでいる方はご存じだと思いますが、この作品の舞台は第一巻が東京の立川にあるオリオン書房、それもたぶんノルテ店です。第二巻・第三巻になると(第一巻の書店が閉店になったため)吉祥寺のジュンク堂書店に移ります。どちらかでロケとかあるのでしょうか? 書店はともかく立川か吉祥寺でロケとかないのでしょうかね?

ただフジテレビのサイトにある写真を見ると、まゆゆがつけているエプロン、オリオン書房(紺)でもジュンク堂(緑)でもないんですよね。舞台はどこになるのでしょう? ペガサス書房のままのようですから、やはりオリオン書房でロケでしょうか?