一極集中

雑誌の「文学界」が4万部だそうで。

又吉効果と言われていますが、それでは載っている他の作家さんのメンツはどうなってしまうのでしょうか? 又吉野作品は読んだわけではありませんが、かつての水嶋ヒロ、加藤シゲアキと同じように、なんとなくその時だけもてはやされ、あっという間に消えてしまうことにならないでしょうか?

それはともかく、昨今の本の売れ方って、あまりにも一極集中が激しすぎませんかね? 結局、自分では選べない、評価できない、決められないから他人が既に評価してくれているものに走る、といったところなのでしょう。だから、売れ始めると尋常ではないくらいに売れる反面、売れないものは見向きもされないということになってしまって……

と、ここまで書いて思いました。こういう現象って書籍だけじゃないですね。わかりやすいところで言えば、先の総選挙。テレビやマスコミが政権批判を放棄したからなのか、雪崩を打って自民党に行ってしまいました。もちろん死票が増える小選挙区制の弊害とか、相変わらず是正されない一票の格差といった問題もありますが、どうも国民全体が一つのものに集中しすぎているような気がします。

そんな矢先、整備新幹線の前倒しというニュース。

これも東京一極集中の表われではないでしょうか? 高速道路、空港、新幹線と、地方はとにかくこの三点セットを欲しがります。東京に住んでいる人間にはわからない地方の苦悩もあるのでしょうが、こういったものを作ってもらって、結局地方は再生したのか、活性化したのか? もっと真摯に反省してみるべき時だと思います。新幹線が開通して、むしろ東京にどんどん吸われているのではないでしょうか?

そう言えば、かつてインターネットが普及すれば東京にいるか地方にいるかは関係なくなる。地方にいても世界と繋がっていて瞬時にやりとりできるから、わざわざ物価も高く空気の悪い東京に住む必要はない、なんてセリフが聞かれたものです。でも、十数年たって結果はどうでしょう? そりゃ少数の事例はあるものの、結局東京集中は止まらず、むしろますます強まっているのではないでしょうか?

あたしはそんな気がします。