キャプテンハーロック

先日、WOWOWで放送された映画「キャプテンハーロック」を録画しておいたので視聴。

あたしの世代ですと、テレビアニメでやっていた「宇宙海賊キャプテンハーロック」を思い出したり、「銀河鉄道999」に登場したりと、そういうイメージが先行します。海賊と呼ばれながらも、単なる無法者ではなく、宇宙のため地球のために闘っているということは、頭では理解しているつもりですが、果たして細かな設定はどうなっていたのか、今となっては思い出せません。地球のためと言いながら、地球防衛軍の戦艦と闘ってもいたような……

 

本作は、どちらかというと小栗旬と三浦春馬という人気の俳優が声優を勤めたということの方が話題になっていた気がして、さて、映画本編はどうだったのだろう、という印象があります。

で、ストーリーを簡単におさらいしておくと、地球人類は銀河系に植民地を増やしていったものの、他の星の文明と折り合えず徐々に勢力を縮小、遂に地球へ戻ることになったものの、銀河に広がった地球人のすべてを地球で賄うことは不可能、よってカムホーム戦争と呼ばれる、地球帰還に向けての泥沼の戦争が起こりました。そこで人類はガイア・サンクションという調停機関を作り、地球は誰も立ち入ることを許さない聖地として管理し、人類は帰る故郷を失った流浪の民となった、というわけです。

このあたり、ちょっと話の展開が強引な気もしますが、まあ、それはおくとして、ハーロックはそんな神聖不可侵の地球を守る艦隊に所属していたのですが、ガイア・サンクションのお偉方だけは密かに地球に戻って暮らしていることを知り、彼らを攻撃し地球を壊滅させてしまいます。そこでお尋ね者となってしまったわけです。

その後100年、不死身の体を持ったハーロックは、地球軍から奪った爆弾100機を宇宙の隅々の設置し、時間の結び目をほどいて美しかったころの地球に戻そうとしているようなのですが、果たしてそれが物理学的に正しいのかどうかわかりません。また地球も青く輝いているのはホノグラム映像で、実際には赤黒く荒れ果てている状態で、地球人類は全員、ガイア・サンクションに騙されていたのです。しかし、その荒れ果てた地球にも植物が芽を出し花が咲いていることを知ったハーロックたちは、未来への希望を抱いて再び宇宙へと旅立っていく、という感じのストーリーです。

まあ「宇宙戦艦ヤマト」と異なり、異星の敵が登場するわけではないので、どうしても戦闘が仲間内のケンカっぽく、そこに死力を尽くした真剣さを感じないのはあたしだけでしょうか? また画像はキレイで、実写と思えるほどなのですが、人物の動きや表情が平板な気がしました。これが現在の3D技術の限界なのでしょうか?

 

ただ、そんなことはともかく、あたし、ハーロックってなんとなく不死身の人間ではなく、生身の人間だと思っていました。少なくとも「999」を見ている限りでは、機械人間を憎む側ですから、本人が機械人間であるはずはないと思っていたんです。もちろん、自分が心ならずも機械人間にされてしまったから機械人間を憎むという構図はありえますが、素直に見れば、やはりハーロックは生身の人間と信じたいところです。ところが本作では100年も生きている設定になっています。呪われてしまったから、といった説明のようなシーンがありましたが、本当でしょうか?

あと、もう一人(?)の主役である海賊船アルカディア号ですが、これまでのアルカディア号と比べあまりにも毒々しすぎませんか? それに全体的にどんなフォルムをしているのかよくわからないんですよね。主砲が何機あるのか、どんな武器を備えているのか、映画本編ではしっかり鑑全体が描かれるシーンが無かったように思います。それでも、全長1キロを越える大きさって、いったいどれだけなのでしょう? ちなみに宇宙戦艦ヤマトは設定上は300メートル前後ですので、アルカディア号の大きさがどれほどのものか想像できると思います。(昔のアニメや「999」に登場していたアルカディア号は、ここまで大きな船という設定ではなかったはずです。)