そもそもが荒唐無稽なので

寒い一日。自宅で映画鑑賞です。って、いつも通りですね(汗)。

  

「リアル鬼ごっこ」の3・4・5です。以前、パート1、2は見ていたので、こんどはその続きというか最新作を鑑賞しました。

 

まずパート1とパート2はしっかりとした続きものです。ストーリーは繋がっています。そして2のラストは、さらにパート3、パート4もあるぞという期待(?)を持たせる終わり方でした。ところが、このパート3からパート5までは、前二作とは全く関係がありません。いや、近未来の東京が「王様」と呼ばれる独裁者に支配されていて、その王様が突然命をかけた鬼ごっこの開催を宣言するという設定自体は同じですが、話は全く異なります。

パート1とパート2ではパラレルワールドが存在し、そのパラレルワールドで鬼ごっこが行なわれているという設定でした。パラレルワールドですから、向こうの世界にもこちらの世界と同じ人間が存在していて、こちらで死ねば向こうでも死ぬ、向こうで死ねばこちらでも死ぬという具合です。ただ、主人公だけは特殊な状況下で生まれたためにパラレルワールドにはいない、たった一人の存在として位置付けられ、それがこの世界を救う救世主としての役割にリンクしていく設定でした。

対してパート3からの三部作にはパラレルワールドは出てきません。現実に数世紀後の東京を独裁者が支配しているという設定です。三作は同じリアル鬼ごっこに放り込まれた人たちを、それぞれ三つの場所で描いた連作のような作品で、主人公たちがニアミスしています。なんでB型の人間ばかりを狩るのか、その種明かしはパート5で明かされますが、そういう意味ではこの三部作はパート3からパート5というタイトル付けが間違っていて、「新・リアル鬼ごっこ」1~3とした方がよかったのだろうと思います。

鬼に捕まると頭にボルトを打ち込まれて殺されてしまいますが、これも捕まってすぐに打たれて死んでしまうその他大勢と、捕まっても抵抗してなかなか打たれず、間一髪で逃げ延びる主人公たちという都合のよいシーンが満載です。パート5まで見て種明かしがされるので、パート3と4では、何のために鬼ごっこが始まったのか、そして本当に鬼ごっこは終わったのか、よくわかりません。せっかくの連作なのだし、主人公が各作品でニアミスしているのだから、最後に全員が一緒になってもよかったのではなかったかという気もしますが……

パート5で主人公は王様の宮殿(?)に乗り込みますが、サラリーマン時代にあれほどドジでダメな社員だった男が、あれだけのことができるとは到底思えません。愛の力というにしては説得力がなさすぎるでしょう。それに助け方、最後に王様の騙す手段も、とても彼が思いつくとは思えないし、思いついたとしても実行できるとは思えない方法です。

登場する主人公たちはどれもパッとしません。若手アイドル予備軍といったタレントさんたちなのでしょうけど、男は格好良くないし、女もかわいくないです。だからといって華があるわけでもなく魅力にあふれているわけでもありません。どうしてこういうキャスティングになったのか疑問です。ただ唯一、パート5の仲間リサはきれいです。カワイイです。