所詮、いい人で終わる?

狐さんの恋結び』読了。過日読んだ『恋都の狐さん』の続編です。

 

個人的には前作で恋を成就させたとおぼしき狐さんが、その後失恋し今作では新たな恋が生まれるという話ですが……

なんか、うまく行きすぎている感があるのは恋愛小説だから仕方のないことでしょうか? それに、今作の場合、果たしてこれは恋と言えるのでしょうか? ヒロインの女の子はまだ恋なのかどうか、自分の気持ちがわかっていない感じです。とりあえずは「いい人」とは思ってくれているようですし、二人で出かけたり、食事をしたりといったことには付き合ってくれます。

これをもって恋人と言えるのか、付き合っていると言えるのか、恋愛未経験者のあたしには判断つきかねます。一緒に(二人だけで)遊びに行ったり食事に行ったりする男友達なってたくさんいるよ、という猛女も世の中にはたくさんいるでしょうから、そういう女性から見たら本作のヒロイン春菜のやっていることはオママゴトにしか見えないのではないでしょうか?

仮に二人が付き合ったとしても、よい家柄のお嬢様と、無職で30手前の男性が釣り合うとは思えません。いずれ反対されるのは目に見えていますし、そんなとき狐さんが蛮勇をふるって彼女と二人駆け落ちをするとか、定職に就くとか、そういった成りゆきは想像できません。

やっぱり、いい人で終わってしまうタイプなのではないでしょうか? とはいえ、無職の引きこもりなのに、こうやって出会いがあるなんてズルいと感じます。