お金の使い方

午後から人文会の行事で、吉祥寺にある成蹊大学図書館を見学に行きました。

半年ほど、いや、一年ほど前でしょうか、同じく吉祥寺と西荻窪の間にある東京女子大学の図書館を見学に行ったことがあったので、中央沿線の大学図書館二つ目になります。(そう言えば、小平市の白梅学園の高校の図書室の見学もこの間に行ってました!)

さて、成蹊の図書館です。

立派です。一言で言えばこれに尽きます。建物も立派なのですが、設備も立派です。蔵書としては、大学の図書館としてはごくごく一般的だと思いますが、館内にある自習室やゼミ室的なスペース。パソコンを置いてあるブースもあれば、コンセントや端末の充電用とおぼしき端子まで一通り揃っているようです。

これだけの設備が揃っていれば学習にも身が入るというものです。あたしが学生のころは大きな机が置いてあるだけ、個人で使う机は薄暗い部屋に蛍光灯が置いてあるだけの机が並んでいるだけ、という有り様で、勉強すると言うよりは寝るための設備と呼んだ方がふさわしいくらいでした。

それが現在の図書館は、まるで学生の待ち合わせスペースのようです。メインスペースは談笑オーケーということらしいので、かなりざわついていますが、それでもバカ騒ぎをしている学生はいません。ほどほどの節度をもって利用している感じです。むしろ、図書館にこれだけ学生が集っていることの方が衝撃でした。たまたま前期末試験の時期だからというのもあるようですが、それでもオープンスペースの机も自習スペースの机もほぼ満席で、予約の取り合いが起きているらしいです。

で、この図書館を見て、スゴイという感想と共に、図書館の予算の大半が、こういう施設やシステムに使われているんだなあ、という感想も抱きました。たぶん、あたしの学生のころの意識だったら、こんなフリースペースを設けるくらいなら書架を並べ、できるだけたくさんの本を並べる方がよい、という考えが主流だったでしょう。パソコンが普及していなかった時代と今とを比べるのはナンセンスですが、余計なことに使うよりは、できるだけ予算は書籍の購入に充てようという意識が高かったのではないかと思います。

しかし、現在はどうなのでしょう。本の購入予算と、設備やシステムにかかる予算、どちらの方が多いのでしょうか? そんなことを考えながら見学していましたが、逆に、ここまでして上げないと、いまは学生が集まらないのでしょうか? ここまでお膳立てをしてやらないと学生は図書館を利用しないのでしょうか?

本末転倒とまでは言いませんが、釈然としないものを感じるのは、あたしが古い人間だからでしょうか?