まるで平気

本日もリメイク映画三昧。「死霊のえじき」と「デイ・オブ・ザ・デッド」です。

 

前者がオリジナルで、後者がそのリメイクだそうです。どちらも、科学者の細菌兵器研究から突然変異、人に感染してゾンビ化、それが街に蔓延して軍隊の出動、地域一帯を封鎖、取り残された人間たちの脱出劇、という基本的なモチーフは同じなのですが、ストーリーと言いますか、鑑賞後の感想はかなり異なります。

前者は、映画のスタート時点で既にゾンビがした人間がうようよいる近未来の世界で地下シェルターに辛うじて生き残って軍人と科学者ら十数名のサバイバル劇です。自分勝手で居丈高な軍人、軍人は帝の宇田と見下して主義主張を変えようとしない意固地な科学者という対立の図式はわかりやすいですが、あの極限状況であんな諍いをやってられる両者の馬鹿さ加減に呆れます。特に、仲間を実験台として殺して使っていた科学者の存在には呆れるを通り越して怒りさえ覚えます。まあ、腹の立つ連中は最後は皆やられてしまうわけですが、それでも主人公の女性科学者も意固地すぎて好感が持てません。

後者は、既に細菌兵器の変異は中央に報告されているのか、中央から軍が送り込まれ、問題の街が閉鎖されるということから物語が始まります。そして、街の人たちが最初は風邪のような咳き込む症状から一気にゾンビ化していき、あとは前者と同じような脱出劇。ただし、前者は最初の時点で人間として生き残っている人が限られていて、はっきりしているのに対し、後者は街が徐々にゾンビ化していくので、あっちにも人間、こっちにも人間が生き残っていて、また生き残っていても本当に感染していないのかどうか、そういうスリルがあります。地下シェルターに逃げ込むというのは前作のリメイクだからなのかもしれませんが、もしかすると車であのまま逃げおおせたのではないかという気がします。

後者の方は、生き残った人間の仲間割れもなく、科学者もそれほど底意地が悪い感じがするほどでもなく、あの程度のぶつかり合いは十分ありえるという範囲。やはりあんな状況に置かれたら、ケンカなんかしている場合ではないというのがフツーでしょ。そして、こちらの作品では主人公が魅力的です。あんな小柄で伍長という軍隊側の人間(前作は科学者でした)というのはやや無理がありますが、凛々しくて格好良くて、それでいてかわいらしさもあります。

肝心のラストですが、前者はヘリコプターで無人島のようなところへ逃げ延びたようですが、文明の利器のない原始生活でサバイバルしていくのでしょうか? 後者は車で街をに脱出するわけですが、果たして何処まで行けばウィルに感染されていない場所へたどり着けるのでしょうか? なにせ、途中の検問所の兵士たちが既にゾンビ化していたわけですから。どちらも、無事にゾンビの街からは脱出したけれど、という結末ですね。

さて、両者とも、ゾンビ映画ですので、かなりグロいシーンがあります。生きた人間をゾンビがむさぼり食うシーンなどはかなりグロテスクです。目玉や内臓が飛び出て、頭や腕や足が引きちぎられて、血が出るだけでなく、ぬるぬるとした体液と一体となった血潮がそこら中に飛び散ります。こういうグロテスクシーンが苦手な人は、この映画は見ない方がよいでしょう。ちなみに、あたしはこういうシーンを見ながら平気で食事ができるタイプです。

逆にゾクゾクする怖さが好きなホラーファンには、こういう映画は物足りないのではないでしょうか? だってゾンビが出てくるだけで怖いわけではありませんから。あたしは、B級もC級も、ホラー全般、好きです。特にジャンルもなく、ソウのようなものでも、13金でも、呪怨やリングなども、そして本作のようなものも、特に食わず嫌いはありません(笑)。