悪霊の住む病院、らしい

自宅で映画鑑賞です。今回は「グレイヴ・エンカウンターズ2」です。パート1を見たのは一年近く前になりますね。どんな作品だったか見るまではうろ覚えでしたが、見始めたら「ああ、あれか」と思い出しました。

 

今回は、パート1はフィクションだと言われているけど、関わった人たちが次々に死んでいて、あれは作り物なんかじゃない、実話だったんだ、と映画マニアの学生が思い込み、その真実を暴くために再び問題の廃墟病院へやってくるという筋書き。

仲間の学生を引き連れやってきて、問題の病院に侵入し、定点監視カメラを設置して、というように、ここから先はパート1とまるっきり同じ展開。あえて新味を言えば、途中でパート1の主人公、地下道で発狂してしまってエンディングとなった人物が、10年間地下道の中で、つまりこの呪われた病院の中で生き続けていたという設定で登場することでしょうか。狂っているんだか、まともなんだか、途中から徐々にまともになっていったようですが、あの環境で10年も生きていられるとは信じられません。あれは病院に取り憑く悪霊に活かされていたのでしょう。だから新たな生け贄を呼び寄せる役割を担うことになり、新しい生け贄が手に入ったら捨てられるという、こちらもおきまりのパターン。

今回は主人公はなんとか助かります。助かるというか逃げ出すというか。仲間すべての犠牲の上になんとか病院から脱出し、パート1の製作会社に撮ったフィルムを持ち込み、ここにこうしてパート2をお届けします、といった趣向になっています。この「記録のために録っていたテープに偶然映り込んでしまった」というモキュメンタリーの手法も飽きることは飽きてきましたし、もうこの手法の限界も見えているわけですが、いつまでやるのでしょう。

パラノーマルのように、自宅で怪奇現象が起きるのでカメラを設置してという設定の場合はリアルさもありますが、こういうある場所を探検していくような、つまり登場人物が移動するような映画では、「果たしてこの状況になってもカメラを持ち歩くか?」「こんなことになってもまだ録ってるの?」といった、ごくごく普通の疑問の方が先に立ちます。

もちろん、戦場カメラマンにしろ、報道カメラマンにしろ、命のやりとりをするような危険な現場でもカメラを手放すことはないのでしょうが、果たして本当にそうなのでしょうか? 本当に自分の命が危険にさらされたときでもカメラを持ち続けるのでしょうか? いや、百歩譲ってカメラを捨てないとしても、こういうモキュメンタリーのように撮り続けていられるのでしょうか?

という疑問があまりにも先に立ってしまい、興醒めになるんですよね。

 

 

と、こんな愚痴をこぼしつつも、あたしはホラー映画が好きなんですよね。それも結構B級ものも。悪霊が好き、というのが根底にあるからでしょうか? 少なくとも人間は裏切るけど、悪霊は裏切らない、あたしはそう思っています。