LOVE LETTER

もうじき読み終わる『危険な関係』には歯の浮くような台詞が満載です。ただ、ヴァルモンの言葉には心がなく、白々しいものを感じますが、ダンスニーの言葉は本当に読んでいるこちらが身悶えしてしまうようなものが多々あります。そんな中から一つ。

お目にかかれる幸福なときを待ちわびながら、このお手紙をつづる楽しさに浸りきっています。あなたのことを考えて、あなたから遠く離れている悲しみを和らげているのです。あなたに僕の気持ちを書き記し、あなたの気持ちを思い返してみるのは、この心にとって真の喜びなのです。そしてそのおかげで、こんな会えない時間でさえもが僕の恋に対し、無数の貴重な宝物を与えてくれるのです。(第百五十の手紙)

思い出します。

「会えない時間が、愛、育てるのさ。目をつぶれば、君がいる」とは郷ひろみ「よろしく哀愁」の歌詞の一節ですが、これは永遠の真実なのですね。