平凡社新書の『日本軍ゲリラ 台湾高砂義勇隊』を読んでいます。そういうことがあったという多少の知識はありましたが、詳しいことは何も知らなかったので、大変興味深く読んでいます。
中国史好きというものありますが、なんとなくこの本に惹かれたのは以前に台湾の作家・甘耀明『鬼殺し(上)』『鬼殺し(下)』を読んでいたからかも知れません。『鬼殺し』の主人公は、日本軍に入った客家の少年です。怪力の持ち主で大暴れをする物語です。
一方、『日本軍ゲリラ』の方は、主として台湾の原住民、高砂族に関するノンフィクションで、同じ台湾に済むものではありますが、微妙な立場の違いも見え隠れします。そんな違いを利用したのが日本人、日本軍ということなのでしょう。日本のアジア太平洋戦争の知られざる一面を知るには格好の組み合わせだと思います。
そうか、明治維新から150年なのかと改めて思い出しましたが、そんなに本の近代化の歩み、海外、特に列強に侵略されていたアジアからは非常に憧れをもって見られていたようです。特に日露戦争で小国である日本が大国ロシアを破ったということで、アジア各国に希望を与えたようなのです。
そんなアジアの眼差しを描いたのが『アジア再興 帝国主義に挑んだ志士たち』です。「帝国主義に挑んだ志士たち」という副題が内容をよく表わしていると思いますが、挑んだ結果どうなったのかは、ぜひ本書をお読みください。