都市伝説は不変?

雨が降りそうで降らない、降らないと思っていたら突然降り出す、そんな不安定な週末になっています。昨晩から、あたしの大嫌いな「24時間テレビ」が放映されていますね。facebookにも書いたのですが、あの番組が始まったころ、あたしは小学生でしたが、子供心に偽善的で、胡散臭くで嫌いでした。われわれ貧乏人から金を集めるくらいなら、あんたら芸能人の方が持っているお金を出せばいいじゃない、という思いがありました。その気持ちは今もって変わりません。ひねくれた子供と言われればその通りですが、いまだにあの番組って出演者のギャラはどうなっているんだといったゴシップが出てきますよね。あたしと同じような胡散臭さを感じている人がたくさんいるんだと思います。

閑話休題。

ですから、あたしはそんな番組は見ず、録っておいた映画鑑賞です。今回はこちらです。

アイドル・ホラー「テケテケ」のパート1、パート2です。パート1の主演は今や大人気のAKB48の大島優子です。2009年の作品ですから、AKBが今のように大ブレイクする直前の出演作ですね。ふつう、クレジットには「大島優子(AKB48)」なんて表記されそうですが、この作品ではまだ(AKB48)とは入っていません。大島優子以外にはAKBのメンバーは出ていないようですし。

AKBの映画といえば、それこそもっと売れていない時代にほぼ当時の全メンバーで出演した秋元康原作の「伝染歌」なんてものもありましたね。ほぼ全員学芸会レベルの演技でしたが、この作品でもヒロインは大島優子だったはずです。やはり子役のころからのキャリアで、AKBの中では一番演技力があったと判断されての抜擢だったのでしょう。

さて、「テケテケ」です。都市伝説をモチーフにした作品なのですが、あたしはこの話を知りませんでした。こういった都市伝説は小中学生などを中心に広まるのでしょうが、少なくともあたしの学生時代にはなかった話です。なんといっても、あたしの時代は「口裂け女」の全盛時代、社会現象とまで言われたあの時代ですから、その亜流のようなテケテケなど出る幕はなかったはずです。

この「テケテケ」についてはウィキペディアなどを見ていただくとして、基本的にはやはり口裂け女のバリエーションの一つですよね。憾みを抱いて死んだ女が化け物になった、ものすごいスピードで追いかけてくる、殺されない呪文がある、といったところは口裂け女と同じです。いかにも子供たちが言いはやしそうな話柄だと思います。

パート1では大島優子扮する女子高生が親友をこのテケテケの殺され、大島優子もテケテケに出会ってしまったために数日後には命を落とす危機に見舞われます。同じくテケテケを見かけてしまった、大学で民俗学を学んでいる大島優子の従姉と共になんとか助かろうと、テケテケ伝説発祥の加古川まで行って、テケテケ誕生の秘密に迫るというものです。かつて半狂乱になって自殺した女性の慰霊碑が阪神大震災で倒れたままになっているを見つけ、元のように直し間一髪テケテケから助かったと思ったのも束の間、結局従姉はやられてしまい、大島優子は気がふれてしまう、というところでパート1は終了です。

パート2は1の完全な続編です。そして、ホラーの続きものでは前作の生き残りがまず最初に殺されるという法則もあり、このパート2では前作の生き残り、大島優子がまずは殺されます。もしAKBが現在のような国民的アイドルになっていたら、たぶん大島優子は殺されず、パート2でも主人公としてテケテケと対決する、そして見事退治して生き残るストーリーになっていたのではないかと思いますが、「RIVER」の大ヒット直前の映画ですし、この時点で大島優子がこういう扱いになってしまうのはやむを得なかったのでしょう。

で、1、2を通じての主人公になるのかと思っていた大島優子が殺されてしまいましたので、ストーリーは続きものとはいってもパート1とは全く関係のない女子高生がメインキャラクターになって展開します。今回はクラスの中でいじめられていた学級委員がテケテケを利用していじめっ子たちを殺していくというストーリーです。そして、本作の主人公が前作の大学助手の青年と一緒にテケテケの正体を追うというサブストーリーもあります。

例によって赤いものを持っていれば殺されるという法則は生きており、この女子校は制服のスカーフが赤なので、制服姿であればテケテケの格好の餌食になってしまうわけで、いじめられっ子たちはいいように殺されていきます。しかし、テケテケを利用しているはずのいじめられっ子も最後にはテケテケに殺されてしまうわけです。

結局、大学助手の青年は肝心な時に役立たずで生き残ってしまうだけで、もう少しなんとかできなかったものでしょうか? そもそも下半身がなく、腕だけで走って追いかけてくるテケテケは、どうやって人間を真っ二つにしているのでしょう? 凶器になるようなものは何も持っていませんでしたけどね。そもそも、テケテケの正体である鹿島礼子が自殺して、列車に轢かれて胴体が真っ二つという設定のようなのですが、電車にはねられて胴体が真っ二つになるものでしょうか? 膝から下とか、肘から先、程度であれば列車に轢かれた時にちぎれる可能性はあると思いますが、胴体が真っ二つになるなんて、列車も大脱線を起こしていますよね?