浪漫はかき立てられるけど……

数日前にやっていたTBS系の「浅見光彦シリーズ」は平家の落人伝説をベースとしているストーリーでした。録画されていたのを前半だけ見たのですが、うーん、ヒロインが平家の末裔ということになっていますが、平家の伝説が直接ストーリーに関わってくるのでしょうか? 後半は明日にでもまた見ようと思っています。

さて、あたしは詳しくもなければ調べたこともないですが、日本各地に平家の落人伝説はありますね。今回のドラマの四万十川の上流の山の中の里、そこは平家の落人たちが逃げてきて森を切り開き田畑を開墾し、なんとか生き延びてきたところという設定です。

話の初めが信じるに足のであれば、確かにそこの集落の人は平家所縁の人たちということになりますが、本当のところはどうなのでしょう? 落人ですから、正体を隠さなければならないわけで、一目で平家とわかるような品を所持していれば、集落の中のどこかに隠したはずです。それがいまに伝わっているのか否か……。後から偽造できそうなものだったり、それではとても証拠とは呼べないようなものだったりしたら、もう後は本人たちが信じているということしか残りませんね。まさに信仰と呼ぶべきかも知れません。

しかし、実際のところ、少人数であれば逃げおおせることは可能だったのでしょうか? 当時は戦乱で流民も多数発生したかも知れませんが、基本的に農民主体の日本では、民衆はほとんど生まれ故郷から動かずに一生を過ごしていたのではないかと思います。となると、芸能者的なものや修行僧を除けば、ある程度の集団で移住してくるというのは目立つったらありゃしないでしょうね。だから、人里離れた山奥へ入っていたのでしょうけど……

真面目に考えようとすると、いろいろと矛盾というかおかしなところも散見するのが平家の伝説なのかも知れませんし、義経と同じく、敗れ去ったものにも生き延びて欲しいと願う日本人の心性が、こうした伝説を生んでいるのでしょう。

で、実際に落人たちを見つけたら、近在の農民たちはどうしたのでしょう? 受け入れたのでしょうか? そして仲良く一緒に暮らすようになり混淆が進んだのでしょうか? あるいはお役人に密告されたり、村人たちからは嫌悪され排他的に扱われたのでしょうか?

いろいろ興味は尽きません。