いつものことですが……

張愛玲の新刊が出ています。光文社の古典新訳文庫から『傾城の恋/封鎖』です。訳者あとがきによると、かつて出ていたものをベースに新たに訳し直したもののようです。

 

張愛玲と言えば、ちょっと前に岩波書店から『中国が愛を知ったころ 張愛玲短篇選』が出たばかり。ここへ来て出版が続いたのは何かあるのでしょうか? 特に生誕何年、没後何年というアニバーサリーでもないですし。

それにしても、上の写真を見ていただければおわかりのように、一方は文庫本、一方は単行本です。小規模な書店であれば気づくでしょうけど、大きな書店ですと文庫担当と文芸担当は別の人であることが多く、せっかく同じ著者の作品が出たのに一緒に並べるということに思い至らないことがありがち、よくあることです。

もちろん、古典新訳文庫のファンというのもいるでしょうから、文庫の棚から持ってきて海外文学の棚に置いてしまうと、こんどは古典新訳文庫の棚を見に来た人には見つけられないという問題も起こります。こういう時に、大型書店ですと入荷が一冊なんていうことはないでしょうから、何冊かを古典新訳文庫の棚に置き、残りを海外文学の棚にも並べるということができるのですが、上に書いたように、そういうことに気づく書店員さんには暇も余裕が無いのが現状だったりします。

こういうところを示唆するのも、出版社の営業の仕事なんだと思いますが、これ、どちらもあたしの勤務先の刊行物ではないんですよね……(汗)