チクるのはいけないことなのか?

昨夜の日本テレビ系ドラマ「斉藤さん2」はいつものカラッとした笑いではなく、ちょっと重い内容でした。斉藤さんの息子、潤一がクラスでイジメに遭っているのです。

きっかけはささいなことです。クラスのリーダー格の大和くんが校庭から教室に投げ込んだサッカーボールがクラスメートの女子にあたり、その子が鼻血を出してしまったということです。「何があったんだ」と問う先生に潤一くんは「大和くんが投げ込んだボールが当たった」と正直に話したのです。それを大和くんは「お前、チクったな」と逆恨み。

小中学校などではよくある、先生にチクった、という話です。

この「チクる」という行為、どうも昔からチクった生徒に分が悪いですね? なぜなんでしょう? 子供のころからあたしは不思議です。というか、あたしもチクるタイプだったので。だから、クラスで嫌われていたのでしょうけど。

例えば、A君がいたずらなり悪いことなりをしてそれをB君が先生に報告したとします。とりあえずA君のやった事柄の大きさはおくとして、一般的には、この時点では客観的には誰が見てもA君が悪い、非難されてしかるべきだと思います。ところが、B君がそれを先生に報告・告発したとすると、その途端に「B君は先生にチクった」として、形勢逆転、A君は何も悪いことなどしなかったかのようにB君を非難します。

クラスメートの中にはチクられるようなことをしたA君が悪いと理解している生徒もいるのでしょうけど、ドラマなどでは往々にしてチクった生徒が悪い、として弾劾され、いじめられ、仲間はずれにされます。どうしてなんでしょう?

社会で強盗や泥棒など犯罪を見たらおまわりさんに通報するように、クラスで悪いことが行なわれたらそれを先生に報告するのはごく自然な行為だと思うのですが、なぜそれをするといじめられるのでしょうか?

チクるという言葉がよくないのでしょうね。告げ口のようなマイナスのイメージを持ちすぎています。本来、正しい指摘だったはずなのに。もちろん、上の例で言えば、B君は先生にではなく、まずはA君に意見すべきだったということなのかもしれませんが、先生から「何があった」と聞かれれば正直に答えるのが筋でしょうし。

少なくとも、あたしはどんなことであれ、チクられるようなことをした人が悪いと思っています。