先程書いたキング牧師と公民権運動のこと。
書店店頭でのフェアとなると、小さい書店はともかく、ある程度の規模の書店になると「海外事情」といったコーナーでの展開になるかと思います。集まる書籍もそのジャンルのものが大多数ですから仕方ないとは思います。
ただ、正面からキング牧師を扱ったものではありませんが、こんな作品もあります。
『地下鉄道』『ネバーホーム』『地図になかった世界』の翻訳小説です。それぞれ出版社のサイトには
ピュリッツァー賞、全米図書賞、アーサー・C・クラーク賞受賞作。アメリカ南部の農園で、苦しい生活を送る奴隷の少女コーラ。あるとき、仲間の少年に誘われて、意を決して逃亡を試みる。地下をひそかに走る鉄道に乗り、ひとに助けられ、また裏切られながら、自由が待つという北をめざす。世界的ベストセラーついに刊行!(『地下鉄道』早川書房)
南北戦争がはじまって、インディアナの農場で暮らしていたコンスタンスは夫のバーソロミューに代わって、北軍への入隊を決意する。名前をアッシュとかえて、男性の格好をして。女性にやさしい「伊達男アッシュ」とも呼ばれ、勇敢に戦い続ける。女であることがばれないかとおびえながら、野営地ですごし戦闘と行軍をくりかえす。夫と手紙のやりとりをし、亡くなった母と語り合う。(『ネバーホーム』朝日新聞出版)
南北戦争以前、「黒人に所有された黒人奴隷」たちを描いた歴史長篇。日々の暮らしの喜怒哀楽を静かに語り、胸を打つ。ピュリツァー賞ほか主要文学賞を独占した話題作。柴田元幸氏推薦!(『地図になかった世界』白水社)
とあります。どれもアメリカの南北戦争前後の時代を扱った作品です。こういう作品を通して黒人奴隷の問題、人種差別の問題を考えるのもよいのではないでしょうか? 海外事情などのノンフィクションを読み慣れていない方にはお薦めです。