広辞苑の紙と電子!

新発売の「一太郎2018」には、これまた新発売の『広辞苑』第七版が付いてます。

 

『広辞苑』の第七版と言いますと、鳴り物入りで発売されたものの、話題になったのは誤植の指摘ばかり。それだけ世間、社会の注目を浴びている辞典であることが証明されたわけでもありますが、辞典って「初版は買うな」というのはよく言われることで、あれだけの分量の記述があれば、どこかしら間違いがあるのは仕方ないことでしょう。

さて、紙の辞典ではすぐに直すことは難しく、岩波書店も「重版で対応」ということらしいですが、電子媒体であればアップトゥデートは紙よりははるかに簡単なはず。そこで「一太郎」付属の『広辞苑』はどうなっているのか、果たして誤植は訂正されているのか確認してみました。

上は「しまなみ海道」を『広辞苑』で引いてみたところです。「周防大島を経由する」とあるのが間違いだそうですが、そのまま載っていますね。

しまなみ‐かいどう【しまなみ海道】
本州四国連絡道路のうち、尾道・今治を結ぶルートの通称。自動車道に歩行者・自転車専用道路を併設、因島・生口いくち島・大三島・大島などを経由する。全長59.4キロメートル。

岩波書店のサイトによりますと、正しくは上掲の通りなんだそうです。

続いては、最近ようやく人口にも膾炙してきた「LGBT」です。これも「一太郎」付属の『広辞苑』では上掲のような内容です。「LGBT」の場合、問題ではないかと言われたのは「多数派とは異なる性的指向をもつ人々」という記述だけでは「LGBT」全体を表わしていない、という点でした。

エル‐ジー‐ビー‐ティー【LGBT】
①レズビアン・ゲイ・バイセクシャルおよびトランスジェンダーを指す語。GLBT
②広く、性的指向が異性愛でない人々や、性自認が誕生時に付与された性別と異なる人々。

これも同社のサイトでは上掲のように訂正文がアップされていました。

「一太郎」付属の『広辞苑』は両項目とも訂正が間に合わなかったようですね。アップデートファイルなどで訂正・修正は可能だと思いますから、早々に対応してくれてもよいと思うのですが、まずは紙の読者への対応が先、ということなのでしょうか?