高い本だけではありません!

先日、内容見本のパンフレットをご紹介した近刊『落語登場人物事典』ですが、本書はなんと、本体価格が24000円もする巨冊です。

この値段ですと、気軽に手が出るものではありませんね。なので、もう少し廉価な書籍をご紹介します。

 

落語と川柳』『ぜんぶ落語の話』の二点です。これらは一般的な単行本ですので気軽にお求めいただけるはずです。

前者は、なぜ落語では川柳がよき脇役なのか、昭和の名人志ん生や文楽らが集った「鹿連会」の模様から、噺のネタで使用される具体的な作品まで、読売新聞川柳選者がその魅力と役割に光を当てた一冊です。

後者は、噺家のさまざまな物語を中心に、戦争前後の落語界の変遷、演劇や俳句との関係などを重層的に織りなす、通をも唸らせる高質なエッセイです。

これでもまだ高い、という方には新書判のハンディな『落語名人伝』『落語風俗帳』という書籍もありますので、懐具合と相談しながらお求めいただければ幸いです。

こちらも前者は、落語の起源を江戸初期の豊かな話芸のなかに求めて、安楽庵策伝や霧の五郎兵衛などの創始者の姿を、当時の時代背景のなかに描き、その後に続く名人と称される多くの噺家の芸と人物をたどり、不世出の名人圓朝、さらに昭和の名人にまで、豊富な資料を駆使した著者多年の労作です。

後者は、仏教が庶民生活に浸透していた江戸時代に生産された、いわゆる古典落語には、仏教が当然入りこんでいますが、仏教信仰の薄い今日では、仏教語やその習俗についてわからない人が多くなっています。64の古典落語を仏教宗派別に分類し、咄の中に出る仏教語や行事や慣習をわかり易く解説したユニークな本です。

ところで『落語登場人物事典』をご注文の際に一文字違いの『落語登場人物辞典』を注文なさらないよう、ご注意ください。いえ、別に両方買われても構いませんし、出版社としてはその方が嬉しいですが……