今朝の朝日新聞にこんな記事が載っていました。
今後は、中国の教科書では文化大革命を扱わなくなるのでしょうか? 日本の教科書の南京大虐殺だとか従軍違反府についての記述には何だかんだと文句を付けながら、自国の歴史の都合の悪いところにはほっかむり、こういうことをしているから嫌中派が勢いづいてしまうのではないでしょうか?
しかし振り返ってみますと、93年に中国へ行ったとき、天安門広場に面した革命博物館で毛沢東生誕百年の展覧会をやっていました。毛沢東の生涯と中国の現代史、というような展示で、幼少の毛沢東の写真や若いころの苦労した人生、共産党に入って次第に頭角を現わしていく毛沢東、という風に順を追って展示されていました。そんな感じて見てくと、大躍進とか文革についてはどんな展示がなされているのか楽しみになってくるところです。
さあ、満を持して新中国建国以降の展示コーナーへ進みますと、共産国家建設に関する展示がちょこっとだけあり、その後は一気に鄧小平と改革開放の中国、経済発展で世界へ雄飛する中国、というような展示で終わっていました。
おい、毛沢東の三分の誤りは展示しないのか(?)と言いたくもなりましたが、国家規模の博物館で行なわれる大々的な生誕百年の展示ですから、少しの瑕疵も取り上げたくなかったのでしょうか? もちろん毛沢東の瑕疵ではなく共産党の瑕疵であるわけですが……
そんな朝日新聞の紙面をめくっていくと、地域面でしょうか、小さくこんな記事が載っていました。明治大学でやっている展覧会の紹介です。
明治大博物館で開催中の文革宣伝画展から本邦初公開の貴重な資料を紹介。写真は当時の機密資料で「最高指示」や「党内文件」の文字とともに、手書きのものも多数あります。今日届いて急遽展示しました。https://t.co/KGPGQm0dOj pic.twitter.com/hpjxoizfUa
— 白水社 (@hakusuisha) 2018年1月11日
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そういえば、上述の訪中のときは、毎晩テレビで毛沢東の生涯を追ったドラマを放送していました。ちょうど大躍進や文革のころのシーンだったと思いますが、大飢饉の襲われ庶民の生活が破綻している国内を何とかしようと劉少奇らが奮闘し農村の現状に心を痛めているシーンがあり、同様に毛沢東もそれを知ってショックを受けるというシーンがありました。が、ドラマの論調としては、毛沢東も国内の状況はわかっていたが、江青らによって実権を奪われ為す術もなかったかのように描かれていました。
うーん、ちょっとね、そういう描き方はどうなのでしょう? まあ、毛沢東称揚ドラマですから仕方ないのかも知れませんが。