最近のニュースの中で個人的に気になったのは、北朝鮮のケソン工業団地のニュースです。
とりあえず、ケソンと書きましたが、ニュースでは「開城」と表記されていることが多いですよね。つまり「開城」の朝鮮語読みが「ケソン」なんでしょう。とすると、「開」が「ケ」で、「城」が「ソン」ですかね?
さて、漢字は中国発祥で、朝鮮半島から日本へ伝わったものと考えられています。当然、文字だけでなく、その発音もそのように伝わってきたものだと思われます。だとすると、伝わった当時の中国での発音に最も近いのが朝鮮での発音、そこから伝わった日本の発音は原音からは離れてしまっている、と考えるのが妥当だと思われます。つまりは伝言ゲームの要領です。伝えられるうちに、だんだんと変容していくということです。
ところが、現在の発音で比較すると、「開城」は中国語では「カイチョン」、日本語なら「カイジョウ」です。現在の発音で比較するのは学術的ではないかもしれませんが、「ケソン」も現在の発音ですから、開き直ってこの三者を比べると、中国の発音と日本の発音の方が近く、朝鮮の発音の方が遠い、という印象を持つのはあたしだけではないと思います。
もちろん、日本への漢字の伝来は必ずしも朝鮮を経由失せず、東シナ海を渡って直接もたらされたことも多々あったでしょうが、伝播全体を100とすれば、90くらいは朝鮮半島経由だと思うのですが、どうでしょう?
そういう点から考えると、この「開城」の発音の伝播と、その後の各国での変化は実に興味深い現象だなあと、ニュースを見ながら、聞きながら思うのでした。