GREEN

自宅でPCに向かって作業をしている時は、少し前に届いていた沢田聖子ちゃんのセルフカバー・アルバム「GREEN」をよく聴いています。これまでに発表した、沢田聖子ちゃん自身が作詞作曲した作品のセルフカバー集です。予定では、あと2枚ほど出るそうです。第一弾となる今回は比較的初期のものを中心にセレクトされています。

まずは、なんと言っても懐かしいです。沢田聖子を聴き始めたのは、あたしが中学生のころで、中学・高校という多感な(?)時期によく聴いた曲ばかりがセレクトされています。ただ、上にも書いたように彼女自身が作詞作曲した作品のみなので、代表曲とも言える「シオン」や「キャンパス・スケッチ」「星空のメッセージ」といった初期の名曲は収録されていません。昔からの沢田聖子ファンとしては、今の声、今の歌い方、今のアレンジで当時の曲を聴くのは楽しくもありますので、これら代表曲が収録されていないのはやや残念ではありますが、それでもほぼすべて知っている曲、よく聴いていた曲ばかりですので、これはこれで十二分に楽しめます。

聴いた感想としては「懐かしい」と上に書きましたが、「ああ、こんな感じにアレンジしたんだ」という新鮮な驚きもあります。沢田聖子も若かった、それを聞いていた自分も若かったという懐かしい曲ばかりですので、あの頃の若かった自分を思い出すには、このアレンジ、この歌い方はどうなの、と思わないこともありません。ただ、そういう若いころを通り過ぎて今の自分があるんだという、肩の力の抜けたところを感じるのも正直な気持ちです。

収録曲の中では、まずは最初の曲「さよならも言わずに」が大好きでした。オリジナルは、ファーストアルバムのA面1曲目。とても寂しげな曲でした。暗い曲と言ってもいいかもしれません。でも、あたしはその暗さ、寂しさが好きでした。数年前に出たCDにはDVDが付いていて、そのDVDにはコンサートの模様が収録されていて、そこでこの曲が歌われていました。アレンジはオリジナルに近かったです。

2曲目の「はにかんで私」は、今となっては「はにかむ」という言葉も死語になれば、その動作も知らない若者が多いのではないでしょうか? 以下、いくつか好きな曲を挙げていくと、5曲目の「17歳の感傷」も、聴いていたのが17歳のころでしたのでとても心にしみました。6曲目の「雨よ流して」も雨の日になると今でも聴きたくなる曲です。7曲目「いつか君に」は、あたしも男性目線の歌なので感情移入がしやすかった想い出があります。8曲目「落ち葉の部屋」はいまだにコンサートでは歌われる、ファンの間では根強い人気の曲です。この曲のイメージって、あたしには井の頭公園の池から吉祥寺通りの方へ上ってきて動物園の前、玉川上水の流れているあたりがイメージされます。12曲目「憧憬」もオリジナルは静かな曲で聴いた途端に好きになった曲です。14曲目「遠い街に憧れて」は、たぶん当時の沢田聖子ちゃん自身の進路の悩みともリンクしていたのだと思いますが、あたし自身が進路に悩まなかったので、逆に新鮮な思いで聞きました。15曲目「涙はつばさに」は元気をもらえる曲です。

なお、この「GREEN」は沢田聖子ちゃんの公式ウェブサイトのみでの販売です。アマゾンやHMVなどでは買えませんのであしからず。ただ、セルフカバーですので、アマゾンなどで買いたければ、これまでのアルバム(←品切れが多いですが……)を購入してください。YouTubeでもある程度は聴けるはずです。たぶん、違法アップロードなのでしょうけど。