この痛さがたまらなくいいのです

別に、嫌われても構わないのです。でも、私の存在をあなたの心の中で抹消しないで。人に嫌われることや悪意を持たれることなんかもう慣れっこです。痛くも痒くもありません。でも、好きの反対は嫌いではなくて無関心だから。爪の先程度で良い、私に関心を持っていてください。それがたとえ悪意でも構わない。(P.144)

宮木あや子さんの新刊『ヴィオレッタの尖骨』を読んでいます。

短篇集です。上の引用はその中の一編「紫陽花坂」の一節。自分を傷つけずにはいられない登場人物たちの痛み。相変わらずの宮木さん節で、たまりません。この痛さ、切なさ、読んでいてゾクゾクします。

それにしても、このタイトルはどういう意味なのでしょうか? やはりフランス映画「ヴィオレッタ」を意識しているのでしょうか?

あと「尖骨」って言葉、あるのでしょうか? 宮木さんの造語でしょうか?