学問の府

大都会・東京の中でも若者に特に人気のある街・渋谷。そこからほど近い場所に位置する青山学院大学。「アオガク」の愛称、おしゃれな雰囲気は以前からとても人気でした。特に女子人気は高く、テレビ局のアナウンサーにもアオガク出身者は多いはずです。

そして、ここ数年は箱根駅伝での活躍によって、スポーツでも強豪校と呼ばれるようになってきました。正月には、毎年のように苦汁を嘗めさせられている東洋大学出身のあたしとしては、なんとも小憎らしい学校でもあります(笑)。

そんな青山学院大学の書籍売り場がこのほどリニューアルいたしました。

そのオープニングセレモニーが昨日行なわれたので行ってきました。正門横の校舎の一階、書籍売り場も広くなりましたが、カフェも併設した明るい店内です。これまでの売り場は、青山学院大学の規模からするとやや狭かった印象を持っていましたが、今回は学問の府にふさわしい書籍売り場を作るという大学側の意向もあって、このようなリニューアルされたそうです。

あたしの印象では、昨今の大学学内の書籍売り場は縮小傾向が続いてたと思います。書籍売り場がなくなったところまでは聞きませんが、行くたびに書籍の棚が減って、文具や「頭脳パン」の売り場が広がっているところが多々ありました。そんな中、アオガクのように書籍売り場を少しでも充実させようというのは出版社としてはありがたいことです。

これまでの経験に照らしますと、大学内の書店(大学生協とかブックセンターとか)って大きな大学だから広い、小さな大学だから狭い、と一概に言えるわけではありません。かなり大きな総合大学でも、「えっ、これしかないのですか?」と言いたくなるようなところはたくさんあります。もちろん大きさだけではなく品揃えも大事ですが、何より肝心なのは立地だと思います。

学内で、やはり学生の日常的な動線上にあると書店も賑わいます。それに対して敷地の片隅にぽつねんと立っているような書籍売り場は誰も行こうとしないものです。外れの方にあっても、事務棟のそば、食道と同じ建物、といったプラスの要素があればまだマシですが、そういった利点がないと、本当に誰も行かなくなるものです。

また、学生がどれだけ書籍売り場を利用するかという点に関しては、教科書販売を除くと、その学校の先生方がどれだけ書籍売り場で本を買っているかに左右されると思います。先生がよく利用している書籍売り場は学生もよく来るようですが、先生がほとんど来ないお店は学生も来ません。そういう相関関係は感じられます。

都心にあって、人気も高い、全国区の有名大学が、今回のような攻めの取り組みをしていると、他の大学にも影響を及ぼすのではないでしょうか? もちろん、これを成功させるというのが前提条件でしょうが、そのためには出版社にもやるべきことがあるのだろうと思います。