あたしのセンス

とある本の装丁。

あたしはそんなに悪い装丁ではないと思っていたのですが、ある書店で、書店員の人(一応付言しますと女性です)と話していたら、「ダサいよね」と言われました。

ああ、そうか。あの装丁はダサいのか、とちょっと驚き。

ところが、そんな記憶も覚めやらぬうちに、こんどは勤務先の同僚(こちらも女性)と、やはりその本の話をしていたら、装丁がダサいとの意見。

うーん、どうしたことでしょう。

センスというのは十人十色、人それぞれ感じ方があるわけですから、他人に合わせる必要なんてなく、自分が好きなものを好きだと思っていればよいのだと思います。

しかし、あたしの知り合いという共通項はあるものの、全く面識、接点のない女性二人が口を揃えて「ダサい」と評した本の装丁、これはやはり多くの人に聞いても「ダサい」という評価になるのでしょうか?

だとすると、それはつまり、あたしの感覚がおかしいということですか?

考えてみますと、勤務先で新刊の装丁を検討するとき、担当編集者がいくつかラフを持ってきます。数名でああだこうだ言い合うわけですが、多くの場合、あたしの意見はみなの賛同を得られません。ですから、あたしの意見は片っ端から却下されるわけです。

あたしは別にそれほど特殊な生まれでも育ちでもありません。ごくごく普通に育てられたと思うのですが、どうしてこんなにも他の人と感覚が異なるのでしょう?

あたしはフツーだと自分では思っているのですが……