スマホじゃないよ

あたしは昔から腕時計が苦手でしていません。高校の時には腕時計を腰のベルトにぶら下げていました。しかし、それだと文字盤が読みにくいので、大学のころからは懐中時計を使うようになりました。

懐中時計って、高いのはものすごく高くておしゃれですが、安いものになると雑貨屋みたいなところで売ってたりしますよね。それも意外とデザインが面白いものが。一時期はそういうのも使ったりしましたが、結局は文字盤の数字が見やすいものに落ち着いて、社会人になった後も、比較的廉価でオーソドックスな懐中時計をずーっと使っていました。

しかし、世は電波時計の時代に突入です。自宅の壁掛け時計や目覚まし時計も次々に電波時計に買い換えていきました。テレビやラジオの時報とピッタリ合っている時計というのは気持ちのよいものです。家中の時計が秒まで一致しているというのも清々しく感じられます。

となると、懐中時計も電波時計に取り替えたくなるのが人情というものです。しかし、懐中時計の電波時計というのはほとんど商品がありません。腕時計や置き時計はあれほど品数豊富だというのに、懐中時計で手が届くような価格帯ではほぼ選択肢がない状況です。

さて、どうしよう。あたしは考えてしまいました。ヨドバシカメラなどの店頭を眺めに行ったこともあります。

そして出した結論が旅行用の携帯時計です。これですと電波時計が出ていますし、値段も手頃です。懐中時計をポケットに入れている身からすれば、この程度の大きさ、厚さのものをポケットに入れて歩くのは邪魔にはなりません。

というわけでここしばらく、たぶん数年になると思いますが、使っているのが上の写真のトラベルクロックです。もちろん電波時計です。トラベルクロックですから目覚まし(アラーム)機能も付いていますが、それを使ったことはありません(汗)。そして画面には日付と気温、湿度が表示されるものです。気温については、ポケットに入れていることが多いので、体温が影響してほとんど意味がありませんが、勤務先では上の写真のようにポケットから出して机の上に置いています。

この時計、営業回りの途次など時間が知りたくてポケットから出すと、ほとんどの場合、怪訝な顔をされます。「えっ、それ、何?」という感じです。一見するとスマホを取り出して時刻を確認しているのかな、という風に見えますが、あたしの勤務先はスマホもケータイも支給してくれないので、そんなものは使いません。そもそもあたしくらいの世代ですと、時刻を確認するのにスマホを見るという習慣がそもそもありませんので……

で、スマホかなと思った人も、「いや、スマホにしてはどうも形がヘン。それにナンシーはスマホを持っていなかったはず」と思い、おもむろに「それ何?」と聞いてくるのです。「時計だよ」と答えると、ほぼ全員驚きます。中には爆笑する人もいますが、たいていの人は苦笑いです。

そんなの持って、邪魔じゃないの、と言われることもありますが、上述のようにもともとポケットに懐中時計を入れていたので、このくらいのサイズならそれほど気になりません。とはいえ、今の時代スマホでしょ、という声も飛んでくるのですが、やはりあたしにはこういう方が便利なのです。

しかし、この時計、数日前に脚が壊れてしまいました。

ご覧のように、気づいたら脚と本体の接続部分が折れていたのです。反対側の接続部分が大丈夫なので辛うじて机に立てることは出来ていますが、なんとなく不安定です。まあ、ふだんはポケットに入れて持ち歩いているので、脚などなくても困らなそうですが、勤務先などでは机の上に置いているので、やはり脚が壊れていて立てられないと不便です。

長いこと使いましたから、そろそろ買い換えの時期なのですかね? いまだ懐中時計タイプの電波時計はほとんどないので、買うとしたら今回もやはりコンパクトなトラベルクロックになると思います。