希望? 妄想? あるいは悲観?
ニュースでお盆休みの様子なんかが流れています。
夏の海に来ているカップル。花火大会に繰り出すカップル。
どうしてこういったニュースの時に流れるのは若いカップルが多いのでしょうか? それとも、あたしが気にしすぎているから多く感じるだけなのでしょうか?
でも、最近はだいぶ、この手の映像に離れましたし、心の平穏を乱されることも減りました。このところ心の平穏をかき乱すのは家族の映像です。それも若い夫婦と小さい子供なんかの映像です。
テレビのコマーシャルも含め、お盆を海外で過ごしてきた家族連れが、なんてニュースですと若い夫婦に子供というパターンが多いなあと感じます。というか、そういう映像にばかり反応してしまいます。ちょっと、そこらへ出かけても、そういう家族連れや若い夫婦に目がいってしまいます。
なんか子供や赤ん坊を連れた夫婦を見ていると、すごく幸せそうで、まさしく絵に描いた幸せな家庭っていうオーラが漂っている感じがします。
で、気づくと、というかわが身を振り返ると、そこにいるのは冴えない中年になっているあたし。もう、どんなに頑張ったって、あんな爽やかな家族を作ることって無理なんだよなあ、としみじみ感じます。
だって、何年か前(かなり前?)までは、そういう夫婦を見ると「同い年くらいかな、もしかして年下かしら?」という感覚だったのが、今では間違いなくあたしより、かなり年下の夫婦ばかりだからです。
ああいう爽やかで幸せそうっていう感じは、錯覚かもしれませんけど、やはり「若さ」に付随するものだと思うのですよね。そうなると、あたしはもう既にふるい落とされてしまっているわけで、どう頑張っても、逆立ちしたって実現しっこない情景なわけだと思い知らされるのです。
そりゃそうですよね。今どきの初婚年齢の平均がどのくらいか知りませんが、まあ27歳か28歳だとして、結婚して1年か2年で子供ができたとしたら、その子はもう中学生くらい。実際、あたしの勤務先の同期には今年中学生になった子供を持っているのもいます。
そこまではいかなくとも、ふつうに考えたって小学校の中学年か高学年の子供はいるでしょう。そうなると、あたしなんか本来なら、上に書いたような爽やかで幸せそうな時代はとっくの昔に通り越して、子供の受験やなんやかやに苦労の絶えない時期にさしかかっているのが、あるべき姿のはずです。
そうそう、たぶん娘だったら口も聞いてくれなくなるような年頃になっているはず。息子だったら自分よりも背が高くなっている頃でしょうか?
そうなっていないといけない年齢なのに、いまだにふらふらと独り者で、なおかつ一人暮らしをしているわけでもなく母親と暮らしていますから、食事、洗濯、掃除などの心配は皆無。のんべんだらりと過ごしてきてしまったわけですよね。
そういう自覚はあるのですが、そういう自覚があるからこそ、結局結婚相手って「母親に何かあった時に代わりに身の回りの世話を焼いてくれる人」って感じになってしまって、それってつまり家政婦じゃない、ということになり、それじゃ相手に失礼だし申し訳ないとわかっているから結局結婚もできない(しない?)でここまで来てしまった分けなんですよね。
ふつうに恋愛できる人が羨ましいものです。
例えばよく言われるのが、毎日のように書店を回っているのだから、本屋にいいなあと思うタイプはいないのか、というセリフ。
でもねえ、もしうまくいかなかったら、もうその書店に行きづらくなっちゃうじゃないですか。それはまずいですよ。実はこの業界、出版社の営業と書店の人っていうカップルは意外と多いらしいんですが、よくも皆さんそんなリスクを乗り越えてきたなあと感心しきりです。
みんな自分が嫌われるってことは予想しないのでしょうか? あたしの場合、小学生の頃からクラスで嫌われ者で、友達らしい友達もいない子供時代を過ごしてきたので、人から好かれる自信がありません。(嫌われる自信ならあり余ってます!) 今のような陰湿なイジメがまだなかった時代なので救われましたが、今みたいな時代のイジメだったらあたしもどうなっていたか......
ただ、自分でも自分の性格って嫌いでした。もしあたしがあたし以外の誰かだったとしたら、あたしなんかと友達になりたくないと思うほど自分が嫌いです。自分の性格の悪いところを誰よりも知っているので(そりゃそうだ、自分なんだから)、絶対こんなやつとは友達になりたいとは思いません。
そんな人間が人から好かれるわけはないじゃないですか。仕事では、書店に行ったって、相手も仕事ですから表面上は愛想よく接してくれますが、たぶん、もう少しあたしのことを知れば絶対嫌われる自信があるんですよね。
嗚呼、ニュースとかで幸せそうな家族を見たりすると、どうもネガティブになりがちです。