2008年7月11日
書店に営業に出かけると、しばしば他の出版社の営業マンとかち合います。既に書店の人と話をしているのを発見してしまうと、次の行動に迷います。まだ時間がかかりそうだから今日はこのまま辞去して他の書店へ行こうか、それとももう少し待ってみるか。
どの出版社も近隣の書店から書店へと回りますから、書店の方ができるだけたくさん出社している曜日に来訪が集中するのはやむを得ないところです。だからこそ、できるだけ仕事の邪魔にならないよう心掛けているのですが、却って邪魔しに行っているのではないかといつも心配です。
売り上げにつながるような情報を持って来られたか、フェアのチラシを配るだけで終わっていないか等々、書店の人の気持ちになって。日にわが身を三省しつつの訪問です。でも、まずはお互いに楽しく話ができることが書店回りの第一の目標です。
2008年5月10日
春はマスクです。あけぼの、ではありません。季節の変わり目なので風邪を引いている書店員さんも多いですが、やはり花粉症が大多数のようです。それでなくとも黄砂舞うこの季節、そして埃っぽい職場。アレルギー体質の方にとって書店勤務はかなりツライことでしょう。
ただ荷さばきをして本を棚につめるだけが書店の仕事ではありません。なんといってもサービス業、接客がかなりのウェイトを占めます。ですから、マスクしたいけどできない、という書店の方も多いです。
マスクしたまま店に出るなという内規でもあるのでしょうか。制服があったり無かったりするように、マスクについても人それぞれのようです。われわれ営業マンも外回りなのでツラそうな人も時に見かけますが、移動の時にはマスクに眼鏡と完全武装できます。しかし、涙を誘うスギ花粉の季節もあと少しで終わりです。
2008年3月12日
年に何回か地方へ出張に行きます。東京とほとんど変わらない大都会もあれば、自然が豊かで時間もゆったりと流れているような街もあり、たまには東京を離れてみるのもよい気分転換になります。
そのような地方出張ですが、全国的にも知られたお祭り、イベントと出張の時期が重なることがあります。ホテルの予約も取りにくく、いろいろな費用が高くなるので、あえてその時期は外して出張予定を組みますが、訪問先の書店員さんは「祭りの時に来ればよかったのに」と、見物を勧めてくれます。
歴史ある行事ならば、一度くらい見物したいなという気持ちもありますが、仕事で出かけているとゆっくりお祭り見物という気持ちにはなれませんし、本業を疎かにするわけにもいきません。結局、その地域を数年間担当しても、一回も地元の伝統行事を見ずに他の地区の担当になりそうです。
2008年1月 9日
このところ小社では『エンジェル』『絹』といった映画原作本の刊行が続いていて、映画も各地で公開されています。かつての『海の上のピアニスト』『真珠の
耳飾りの少女』がそうであったように、映画が流行れば本も売れますので、ふだんは気にしない映画の興行成績ランキングなどにも自然と目が向いてしまいま
す。
ところで、本を読んでから映画を見た人には、原作のイメージと違う、といった不満が募るのこともあるでしょう。あらすじが変わっていたり、登場人物の設定
が変更になっていたりと、映画には映画特有の制約があるのでしょうが、個人的には、軽々しく中味をいじくってほしくはないものです。
しかし、深く作品を味わうなら、本との違いを愉しみながら映画を鑑賞するもよし、映画のシーンを思い出しながら本を繙くもよし、ではないでしょうか。