2008年8月27日

売れてる理由、発見? 不明?

先日配本になった文庫クセジュの新刊『スピノザ入門』が、クセジュとしては異例のペースで売れています。

 

配本日はお盆休みの前日でしたので、丸二週間が経過したことになりますが、実際にはお盆休みで流通が止まっていましたので、書店に並んでからはせいぜい1週間程度だろうと思われます。

 

でも、売れているんです。既に追加注文を出してくれている書店もあります。

 

いまさらスピノザ? という気がしないでもないんですが、やはりいろんな哲学者がスピノザの影響を受け、またその著作にスピノザを引いていたりしているようなので、やはり根強い人気なんだなあ、と実感した次第です。

 

特に最近では、イタリアのアントニオ・ネグリがスピノザにしばしば言及しているとかで、その影響も少なからずあるのではないかと思われます。またスピノザの手頃な入門書が最近出ていなかったという事情もプラスに働いたかもしれないです。

 

というわけで、なんだかんだ言いながら、結構売り上げを伸ばしております。いかにもクセジュにしかないようなテーマの本がそれなりに売れるのは理解できるのですが、スピノザなんて日本でもそれなりに参考書が出ていそうなものが売れるのはちょっと意外です。

 

さあ、どこまで伸びるのでしょうか?

 

 

ちなみに、来月刊行予定<哲学の現代を読む>シリーズの新刊『フッサール』も事前指定が非常に順調に届いているんですが、こちらはなぜなのかまだ理由はわかりません(涙)。

 

2008年8月17日

多少の反響は......

おまえ、クドイんだよー、と言われそうですが、やはりU研フェアのことです(汗)。

月曜日、火曜日が会社全体の盆休みで、昨日からまたいつもと変わらない日常が始まりましたが、別の営業マンが知り合いの書店員さんから吉祥寺啓文堂のU研フェアの話を聞かれたそうです。

その書店員さんは、毎日新聞の記事ではなく、どこぞのブログで見つけたということでしたが、まあ、あたしがこうやって何度か書いている以外にも、U研のブログもありますし、それを見た(あるいは偶然に吉祥寺の啓文堂へ行った折に知った)人が、それぞれブログでコメントなどを書いてくれているのが数件あるようですから、情報の入手ルートは結構たくさんありますよね。

ブログの情報収集の場合、あたしもRSSリーダーを使って情報収集してますが、どういうキーワードを設定するかで検索結果も変わってきます。もちろん、RSSリーダーの機能にもよりますが、and検索、or検索をいろいろ組み合わせないとダメなんでしょう。

わかりやすいところでは、今回のUブックスも「U」を大文字にするか小文字にするか、全角文字にするか半角文字にするか、これによって検索結果が変わります。大文字と小文字の場合は、たいていどっちも検索してくれるみたいですが、全角と半角はそうはいきませんね。

とにもかくにも、やってる人間発ではない情報がネットで流れ始めているというのはうれしいことです。あたしもキーワードの設定をもう少し工夫すれば、もっと異なる検索結果を拾えて、知らなかった情報にもアプローチできるのでしょうけど......。

で、ふと思い出したのは、確か以前に、これからはあふれる情報から目的のものをどうやって効率よく見つけ出すか、つまり検索が重要になってくる、というようなことを述べている文章を読んだことがありました。たぶんパソコン雑誌だったと思いますが。

確かに、この問題はつくづく感じます。ニュースなどでも、なんの前置きもなく「ネットで...」といった表現をしばしば耳にしますが、「ネットで、って、つまりどこよ」と突っ込みを入れたくなるのはあたしだけじゃないと思うのですけどね。

2008年8月16日

土地柄か?

少し前に出した『ベルリン終戦日記』が好調に売れています。特に書評などが出ないうちから売れ行きがよく、書評などの紹介記事が出るたびに売り上げを伸ばしてきました。この15日にも、朝日新聞の終戦の日特別広告で掲載しましたので、このお盆の休み明けには、また注文のファクスや電話が殺到することを期待しているのですが......

 

 

さて、最近は本の実際の売り上げというのもかなりわかるようになってきました。POSレジのデータが集計されて実際に売れたデータが届くのです。このPOSデータの功罪については、これまでにも何回か書いてきましたが、そんなデータのいくつかを見てますと、上記の『ベルリン終戦日記』ですが、広島、長崎、あるいは沖縄といった実際に戦争の惨禍のあった地区の書店さんで売り上げがいいのです。

 

同書は、ベルリンに攻め込んできたソ連軍に対し、自分と自分の仲間が生き延びるために、わが身を差し出した女性の手記なわけですが、そういった戦争の底辺で苦しんだ人の生き様を描いた作品には、同じ戦争体験者としてシンパシーを感じる読者の方が多いのかもしれません。

 

どちらの方が悲惨だったか、とか、どちらの方がつらかったか、といったことは愚問でしょう。本の売り上げ、それもある一作品の売り上げだけでこういう結論を導き出してしまうのは短絡かもしれません。でも、どんな本にも売れる地区、売れない地区ってのはありますし、こちらもそういうのを考慮して配本したり販促したりします。

 

たまたまPOSデータを見ていた発見したことですが......。

 

2008年8月 1日

事情により閉店中

またまたですが、「新文化」サイトによると

 

洋販が運営していたランダムウォーク京都寺町店と神戸元町店は7月31日から営業をストップしている。

 

そうです。

 

ランダムウォークのサイトを見ると

 

只今、諸事情により閉店しております。2008年8月1日

 

って、いきなりトップページに出ていますね。

 

こんな動きがあると、流水書房や青山ブックセンターもどうなってしまうのか、不安です。

 

しかし、今日も書店を回っていて話に出る今回の洋版問題ですが、やはりアマゾンで直接洋書が買えるようになったというのが、末端における洋書需要の大きな変化なのでしょうか?

 

確かにこれまでは、地方に住んでいる方はどうだったか知りませんが、東京に住んでいれば丸善とか紀伊國屋とか、洋書を扱っている書店、あるいは神保町などの古本屋街にある洋書専門店へ行って買うというのが普通でした。

 

つまり、どんな洋書を買うかということが前提ではありますが、書店の品揃えに左右される割合も非常に高かったものです。それがアマゾンが開設されてからは気軽に課外の洋書が検索できて購入できるようになってしまったわけですから、それこそ本当に画期的な変化、大変革ですよね。

 

でも、あたしの場合は中国からの輸入書が多いので、東方書店とか内山書店などをもっぱら利用していて、時に中国へ行った時に直接買ってくるという程度でした。早くアマゾンでも中国書籍を扱ってくれないかしら?

 

と、閑話休題。

 

冗談抜きで、あと5年くらいしたら、ナショナルチェーンや中堅以上のチェーンしか書店は残っていなかったりして......(爆)。

 

いえ、ほんとの話、中堅チェーンといっても老舗の地方チェーンは苦しくて、東京や大阪など大都市圏のチェーンならそれなりに残れるかもしれないとは思いますが。

 

でもって、その頃に、そういうチェーン店以外で残っているのは、アマゾンとブックオフだけ、という想像もしたくない状況......。

 

哀哉、哀哉!

 

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