2008年8月16日

土地柄か?

少し前に出した『ベルリン終戦日記』が好調に売れています。特に書評などが出ないうちから売れ行きがよく、書評などの紹介記事が出るたびに売り上げを伸ばしてきました。この15日にも、朝日新聞の終戦の日特別広告で掲載しましたので、このお盆の休み明けには、また注文のファクスや電話が殺到することを期待しているのですが......

 

 

さて、最近は本の実際の売り上げというのもかなりわかるようになってきました。POSレジのデータが集計されて実際に売れたデータが届くのです。このPOSデータの功罪については、これまでにも何回か書いてきましたが、そんなデータのいくつかを見てますと、上記の『ベルリン終戦日記』ですが、広島、長崎、あるいは沖縄といった実際に戦争の惨禍のあった地区の書店さんで売り上げがいいのです。

 

同書は、ベルリンに攻め込んできたソ連軍に対し、自分と自分の仲間が生き延びるために、わが身を差し出した女性の手記なわけですが、そういった戦争の底辺で苦しんだ人の生き様を描いた作品には、同じ戦争体験者としてシンパシーを感じる読者の方が多いのかもしれません。

 

どちらの方が悲惨だったか、とか、どちらの方がつらかったか、といったことは愚問でしょう。本の売り上げ、それもある一作品の売り上げだけでこういう結論を導き出してしまうのは短絡かもしれません。でも、どんな本にも売れる地区、売れない地区ってのはありますし、こちらもそういうのを考慮して配本したり販促したりします。

 

たまたまPOSデータを見ていた発見したことですが......。

 

コメントする